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いじめの被害者は「社会的制裁」を行えるのか

 こんにちは。議論メシ編集部部長です。
 現在、「ダメな貴方でも死なない学校を生き抜く術-「社会的処方」と「家族」の関わり方とは何か- 」という本を今回はいじめを防ぐ為の事業をされている株式会社マモル 代表取締役 隈有子さん、Izumi Koさんと執筆しました。


 良かったらご一読ください。

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社会的制裁とは「集団による力の行使」 

 大津市の中学生が自殺した事件で、いじめていた中学生3人と担任の実名がtweetされ、そのうちの一人がいじめの中心になっていたとして写真がアップされ、さらにはその生徒の父親の名前と職業までもがtweetされました。

 神戸市立東須磨小で当時の教諭らが同僚をいじめていた問題で、神戸地検は2020年3月27日、強要と暴行の疑いで書類送検された男性元教諭ら4人を、いずれも不起訴(起訴猶予)処分とした。4人が懲戒処分などの社会的制裁を受けていることや、被害教諭が処分内容に納得していることを踏まえて判断したとしている。

【引用】産経新聞『教諭いじめで4人起訴猶予 「社会的制裁」など考慮』
https://www.sankei.com/west/news/200327/wst2003270045-n1.html

「社会的制裁」の根底にあるのは正義感

 いじめの加害者を擁護するつもりは全くりません。かといって自分が加害者を責めれば、今度は自分がいじめに加わることになると思っています。

 言葉も含む暴力に対し、被害者が抵抗できないからいじめになるのであって、だからこそ被害が拡大していくわけです。

 「社会的制裁」の根底にあるのは正義感(という怒り)です。
 つまり、正義を行うのだから制裁は許されるというものです。

「社会的制裁」とは

 社会的制裁とは法によらない社会構成員からの制裁処罰行為を指します。村八分などは社会的制裁の一例です。
 社会的制裁は主に3種あり、「マスコミによる社会的制裁」(マスコミが、犯罪を犯した人間に対して、メディアで実名報道を行ったり、その情報により個人攻撃(意識的、無意識的)が行なわれたり、被疑者の名誉を傷つけることで、当該犯罪者が社会的に制裁されたとみなされる状況を作り出すことがある。メディア・リンチとも呼ばれる。)、

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