【ショートショート】律儀な強盗
「えーと、A1ですか。ちょっとその大きさは扱ってないですねぇ」レジの女性店員は答えた。
「馬鹿言うな、A1の紙が一番大きい。出せ」サングラスにマスクの男は言った。
「もしよければA4サイズのコピー用紙ならありますけども」
「コレが見えないのか」男が右手に持つ黒い何かをかざした。彼女にはぼやけて太めのサインペンのように見えた。
「すみません、実はコンタクトが合わなくて新しいのにつけ直そうと取った所だったので。今裸眼で全然見えてないんです。でもアレですよね、ひらめいちゃってアイデ