【ショートショート】三日坊主と十年和尚
深緑の山奥にある寺。
新発意の坊主、三念が神妙な面持ちで和尚の部屋を尋ねました。
「和尚様。三念でございます。相談がございます」
「どうした三念、そんな暗い顔をして。話してみよ」
「私は何をするにも三日と持ちません。どうすれば和尚様の様に何事も長続き出来るのかを教えてください」
すると和尚は庭掃除をしていた千代を部屋に呼び寄せました。
「三念よ。今日から一日一枚、経を半紙に認める事」
「千代には別でこれを命ずる」そう言うと和尚は千代を手招きしコソコソと耳打ちをしました。
「分