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★4/確率 杏林大学2016

問題

 サイコロを投げて、偶数が出ると$${1}$$だけ、奇数が出ると$${3}$$だけ、点$${P}$$が数直線上を移動して止まる。また、はじめに点$${P}$$は原点にいたものとする。

ⅰ)サイコロを$${8}$$回投げて、座標$${18}$$の点に$${P}$$がいる確率は$${\dfrac{\fboxア}{\fbox{イウ}}}$$である。

ⅱ)サイコロを$${n}$$回投げて、点$${P}$$が座標$${10}$$に止まる確率が$${0}$$でないような$${n}$$と、その$${n}$$回のうちに偶数が出た回数$${k}$$は$${\fboxエn-\fboxオk=10}$$をみたす。
そして、$${10}$$を$${3}$$で割ると$${\fboxカ}$$余ることから、$${k}$$を$${3}$$で割ると$${\fboxキ}$$余る。
また、$${n=\dfrac{\fbox{クケ}}{\fboxコ}+\dfrac{\fboxサ}{\fboxシ}k}$$と表せて、$${k\leqq n}$$である。よって、$${k}$$の小さい順に$${k}$$、$${n}$$の組をすべてあげると

$$
\begin{array}{}
k=\fboxス&,&n=\fboxセ\\
k=\fboxソ&,&n=\fboxタ\\
k=\fboxチ&,&n=\fboxツ\\
k=10&,&n=10\\
\end{array}
$$

である。

ⅲ)サイコロを$${12}$$回投げて、点$${P}$$が$${6}$$回目に座標$${10}$$にいて、$${12}$$回目に座標$${20}$$にいるような目の出方は$${\fbox{テトナ}×3^{12}}$$通りある。

ⅳ)サイコロを$${12}$$回投げて、何回目かに点$${P}$$が座標$${10}$$に止まってから、$${12}$$回目に座標$${20}$$にいるような目の出方は$${\fbox{ニヌネ}×3^{12}}$$通りある。

解答

ⅰ)偶数の出た回数を$${x}$$、奇数の出た回数を$${y}$$とする。偶数が出ると$${1}$$だけ、奇数が出ると$${3}$$だけ、点$${P}$$が数直線上を移動して止まり、サイコロを$${8}$$回投げて、座標$${18}$$の点に$${P}$$がいるので、以下の連立方程式が立つ。

$$
\begin{cases}
x+y=8\\
x+3y=18\\
\end{cases}
$$

よって$${x=3,y=5}$$となり、反復試行であるため求める確率は

$$
_8C_3\cdot\Bigl(\dfrac{1}{2}\Bigl)^3\cdot\Bigl(\dfrac{1}{2}\Bigl)^5=\dfrac{7}{32}\cdots(\fbox{ア}~\fboxウ)
$$

ⅱ)
ⅰ)と同様に考えると偶数の出た回数を$${k}$$、奇数の出た回数を$${n-k}$$と置け、$${k+3(n-k)=10 \Leftrightarrow 3n-2k=10\cdots(\fbox{エ},\fbox{オ})}$$

 さて、$${10}$$を$${3}$$で割ると$${1}$$余る$${\cdots(\fboxカ)}$$ので、$${3n-2k=10}$$の左辺も同様に$${3}$$で割ると$${1}$$余るはずである。$${3k}$$は$${3}$$の倍数であるため、$${2k}$$が$${3}$$で割って$${2}$$余る数であればよい。
 よって、$${k}$$は$${3}$$で割ると$${1}$$余る数になる。$${\cdots(\fboxキ)}$$
 また、$${3n-2k=10}$$を$${n}$$について整理すると、$${n=\dfrac{10}{3}+\dfrac{2}{3}k\cdots(\fboxク~\fboxシ)}$$であり、$${0\leqq k\leqq10}$$より$${k}$$と$${n}$$の組み合わせは

$$
\begin{array}{}
k=1&,&n=4&\\
k=4&,&n=6&\\
k=7&,&n=8&\\
k=10&,&n=10&\cdots(\fboxス~\fboxツ)\\
\end{array}
$$

となる。

ⅲ)
まずは問題文の状況になる場合を言語化する。$${6}$$回目に座標$${10}$$にいて、$${12}$$回目に座標$${20}$$にいるので、考え得る状況は(ⅱ)の$${k=4,n=6}$$を$${2}$$回繰り返す場合のみである。よって偶数が$${4}$$回、奇数が$${2}$$回出るような場合を$${2}$$回繰り返すので

$$
\Bigl({}_{6}C_4\cdot3^6\Bigl)^2=225×3^{12}\cdots(\fboxテ~\fboxナ)
$$

$${3^{12}}$$は奇数・偶数の場合がそれぞれ$${3}$$通りあって、それを$${12}$$回行っているところから出てくる。

ⅳ)
$${n}$$回目に座標$${10}$$に到達するのは$${n=4,6,8,10}$$のときであり、座標$${10}$$に到達する試行を$${2}$$回繰り返えして合計$${12}$$回になることを考えればよい。すると(ⅲ)で扱った$${6}$$回を2回くりかえすものと、$${4}$$回+$${8}$$回のものと、これを入れ替えたものの計$${3}$$種類が考えられる。よって$${n=4}$$と$${n=8}$$の場合を計算して$${2}$$倍したものを(ⅲ)の結果に加えればよい。

$$
{}_4C_1\cdot{}_8C_7×3^{12}×2=64×3^{12}
$$

よって合計は$${225×3^{12}+64×3^{12}=289×3^{12}\cdots(\fboxニ~\fboxネ)}$$

総評

確率と整数に関する複合問題です。余りに関するところは具体的な数字を入れて性質を見抜くとわかりやすいと思います。

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