エスニックジョークと行動経済

国民性の違いをジョークで説明

ある民族の民族性や
ある国の国民性を端的にあらわすような話によって、
笑いを誘うジョークの事を、
エスニックジョークと言います。
行動経済学が専門で、
明治大学の友野典男教授がお書きになられた著書
【感情と勘定の経済学】があります。
その本の中には、
エスニックジョークが書かれているのですが、
何とも面白い内容なのです。

豪華客船が事故で沈没？

【感情と勘定の経済学】
の中でも出てくる一番有名なエスニックジョーク。
豪華客船が海に出ました。
暫くすると事故に遭い船は徐々に浸水をし始め、
沈没しかけているとします。
さて…
いち早く船内にいる乗客を、
海に飛び込ませなければいけません！
豪華客船ですので、
船内には様々な国の顧客が乗っています…
そのお客様にどう言えば飛び込んでくれるか？と言う、
エスニックジョークです。

国別対応

イタリア人の場合…
「美女も一緒に飛び込みますよ」
イタリア男性を動かすには、
このフレーズが一番でしょうね！
同じヨーロッパのドイツ人の場合…
「飛び込めと規則に書かれていますよ」
ドイツ人の民族性は、
とにかく「真面目」だと言われていますので、
このフレーズには納得です！
続いてヨーロッパでもフランス人の場合…
「決して海に飛び込まないでくださいよ」
個人主張が強いフランス人は、
その言葉が正しいかどうか自分で判断するそうです！
続いてアメリカ人の場合…
「今飛び込めばヒーローになりますよ」
アメリカ人のスーパーヒーロー気質を、
見事についたフレーズです！
そして日本人の場合…
「ほら、ほかのみんなも飛び込んでいますよ」
外国人は日本人の行動パターンを良く見ていますね…
日本人の同調性を意識したフレーズです。

エスニックジョーク

世界の日本人ジョーク集と言う本があります。
この中での代表的なエスニックジョークがこちらです。
アメリカ人は独善的で傲慢でケンカ好き！
イギリス人は紳士的であり堅苦しい！
フランス人は好色的で自己中心的！
ユダヤ人は狡猾で金儲けが上手い！
イタリア人は特に女好きで情熱的！
日本人は勤勉でお金持ち！
ドイツ人は頑固で真面目である！
なるほど…
日本人は勤勉でお金持ち…か、
預金好きの日本人と言うイメージなのでしょうね。

各国の人が二人以上集まると生まれるモノ

民族や人種による「行動」や、
「思想」の違いを比較して例えられている、
話題があります。
各国の人が二人以上集まると、
一体何が生まれるのだろうか？です。
これも有名ですよね。
アメリカ人が二人集まると、
「三つの諍いと四つの正義」が生まれる。
ドイツ人が二人集まると、
「三つの規則と四つの法律」が生まれる。
ユダヤ人が二人集まると、
「三つの意見と四つの政党」が生まれる。
日本人が二人集まると…
「三つの銀行と四つの会社」が生まれる。
上記に記載した各国の民族性と言いますか、
国民性を見ると…
納得できますね（笑）

日本人の集団主義が垣間見える

集団主義とは、
個人よりも集団に価値を置く思想や、
その傾向を指す言葉です。
日本人は集団主義的な思想である！
と言われています。
集団主義は日本の経済学では、
集産主義と訳されています。
日本人の集団主義は間違いだ！
と言う反対論者もいますが…
正解は無いのでこの論争は置いておきます。
そして、
集団主義の対義語は個人主義ですね。
個人主義は自由主義（リベラリズム）と同義です。
リベラリズムの塊はアメリカですね。

リベラリズムのアメリカと日本の違い

自由と平等な権利に基づく、
政治的および道徳的哲学
これが自由主義の基本です。
1930年代アメリカを皮切りに…
世界的に起こった深刻な経済恐慌があります。
それが世界恐慌です。
詳細は置いておきますが、
当時のアメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルトが、
世界恐慌を克服するために行った一連の経済政策がありました。
かの有名な「ニューディール政策」です。
実はこの時に米国で新しい自由主義＝リベラリズムが、
関連付けられたと言われています。
世界恐慌で取った政策が、
米国内で新しい経済の考え方を作ったと言っても、
過言ではないかもしれません。
興味ある方は調べてみて下さい。

エスニックジョークと行動経済について

エスニックジョークは、
揶揄するような形でエピソードを紹介します。
揶揄と言うのは、
対象をからかって面白おかしく扱うことであり、
皮肉めいた批判とも取れます。
「肘で軽く突っつく」と言うイメージのナッジ理論
何となく似ている気がしますね。
人々がユニークを交えて遠回しに例え話をして、
興味喚起を促す。
これは立派な行動経済です。
「笑い」は感情の中でも特別重要な感情です。
「笑顔の中で伝えられた情報は忘れない」からです。
多様化する世界の中で、
私たちは即座に世界へ向けて、
発信する事が可能になりました。
日本人はもっと
〝存在感〟を示しても良いと思います。
日本の宝は日本人ですので！
日本式行動経済学で世界へ発信したいと思います。