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思い込み(バイアス)と行動経済③

うちの子に限って?

「うちの子に限って」
と言うドラマが昔あったのを、
知っているでしょうか?
自由奔放な子どもたちが、
騒動を起こすドラマです。
チェッカーズの曲に乗って、
田村正和が演じる小学校の先生と、
おませな子供たちが、
何かとトラブルを起こします。
今放送すれば…
かなり問題になるでしょうね…
実はこの「うちの子に限って」と言う言葉、
結構親御さんが使ったりするのですが…
これも「バイアス」なのです。
それでは今日も、
思い込み(バイアス)と行動経済について、
書いていきたいと思います。

多数派同調バイアス

人間は一人だと弱い生き物です。
何かの行動に迷った時…
とりあえず!
周囲の人に合わせようとする行動が現れます。
これは…
みんなと同じにしておけば、
間違いはないだろう!

と考えることがあります。
これを「多数派同調バイアス」と言います。
同調圧力と行動経済と言う記事を、
7月2日と7月3日で書かせて頂きました。
同調圧力と行動経済①
同調圧力と行動経済②
お時間ある時にご覧ください。

多数派同調バイアスの実例

有名な話で例えられるのがコチラです。
平成15年2月18日の韓国の地下鉄火災。
約200人の犠牲者が出た悲惨な放火事件です。
火災発生中の地下鉄内の写真を見てみると…
あまりにも異様な光景が、
広がっていたことが分かります。

0908(写真)

煙が充満しつつある地下鉄内で、
乗客が特に逃げるそぶりも無く…
ほぼ全員が座っているのです。
このような緊急事態に出くわした時、
人はパニックにならないように、
「正常性バイアス」が働く
のです。
しかし「正常性バイアス」が働いて、
席に座ったままでいる周りの人を見て、
「多数派同調バイアス」が働く
のです。
そして…200人もの犠牲者を出したのです。

内集団バイアス

自分が所属している部活やクラブ、
劇団やビジネス会等も当てはまるかもしれませんが…
自分が所属している集団が、
他よりも優れていると思い込む
ことを
「内集団バイアス」と言います。
これ…
結構いますよね?
内集団とは、
自分が所属感を感じている集団です。
内集団があれば外集団もある?
はい!
あるのです。
内集団以外の集団の事です。
これ実は面白いのが…
所属していても、
所属感を感じていなければ、
内集団ではないのです。
愛着があるか?
ですね(笑)

内集団バイアスの実例

内集団バイアスはバイアスの一つですから、
勘違いや思い込みが多々あります。
具体的に言いますと…
「内集団の自分たちが優れている」
と同時に、
「外集団が劣っている」
と判断するのです。
結局は優劣を付けたいので、
評価の基準が違う訳ですね。
学校でチーム分けのテストをやったとしましょう。
チームXは、
①90点、②90点、③30点
チームYは、
①100点、②60点、③50点
どちらも平均70点
としますが、
チームYに所属している人が
「こっちは100点がいる!そっちは30点がいる!頭悪い!」
このとき行った評価はバイアスが掛かっていますね?
「内集団の優れた自分を基準に行い、
外集団は劣った人間を基準に評価を行う」

まさに内集団バイアスの典型的な例です。

SNSの内集団バイアス

インターネットの誹謗中傷、
SNS等の悪質な書き込み…
これらもインターネットで見られる、
内集団バイアスの一つです。
対立側を叩く側の内集団意識が働き、
相手に対して執拗に攻撃
します。
客観的に見ればどちらも同じ位程度が低いのですが、
内集団の中にいると、
『こちらの方が正しい!』と錯覚
するのです。
これらは全て…
内集団の質を上げて、
自分のプライドを高めるために行ないます。
自己評価が低いほど、
「内集団バイアス」に、
かかりやすい
ことが証明されています。
自尊心を得にくい状況にある人は…
手軽に自尊心を得られる手段は魅力的なのでしょう。

思い込み(バイアス)と行動経済まとめ

「思い込み(バイアス)と行動経済」
三日目の今回は、
二つのバイアスについて書かせて頂きました。
多数派同調バイアス
内集団バイアス

これら二つのバイアスの併用と言われるのが
「リスキーシフト」です。
集団で何か行動をしたり、
集団で何かを決断をするときに、
あえて「危険なリスクのある選択」
をしてしまう事
です。
分かりやすいのは、
「赤信号をみんなが渡っていたら自分も大丈夫」
そんな感覚です。
性格的に比較的穏便な考え方をする人でも、
大勢の集団の中では、
極端な言動を起こしたり、
その意見に同調したりします。
多数派意見が正しいと考える
「バンドワゴン効果」とも似ていますね。
こうやって書いていくと…
バイアスがいかに数が多いか?
理解頂けるでしょうか?
思い込み(バイアス)と行動経済記事は、
まだまだ続きます!

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