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同調圧力と行動経済その①

人と自分を比べてしまうこと

日本人は諸外国と比べて…
「隣の人」と「自分自身」を比べがちである人種です。
これは「意識レベル」だけじゃなく、
「外見レベル」に関してもかなり根深く根強い考えがあるのだと感じます。
自分が周囲からどう見られているか気になって仕方がないとか、
自分に対して自信が無いと思っている人が多いのです。
これは他人との競争となり、
お金を使う競争となってしまいがちです。
どういう事かと言うと…
見た目で差別化出来る部分=外見上の違いにコストを掛け、
内面的な輝きに投資をすると言うのが少ないのです。

同調圧力とは

日本人は同調圧力に弱いと言われています。
そもそも同調圧力と言うのは、
地域共同体や職場などある特定のピアグループにおいて意思決定、
合意形成を行う際に、
少数意見を有する者に対して、
暗黙のうちに多数意見に合わせるように誘導すること(Wikipedia)
と書かれています。
最後の文面に集約されていますね…
これはなぜこういう考え方に至っているか?
を紐解かなければなりません。

人と同じ事で安心すると言うバンドワゴン効果

まずはバンドワゴン効果。
以前も説明しておりますが、
“世間の流行りや周りの評判を判断材料にしてしまう心理”であり、
多数がある選択肢を選択している現象が、
その選択肢を選択する者を更に増大させる効果です。
「人は一般的にほかの人と同じ行動をとっていれば安心する」
という心理を表す現象で、
多くの人が行動するのと同じように、
自分も行動しがちになる傾向のことです。
まさに!ですよね。
同調圧力を見ればその通りとなっています。

嫌われたくないと言うプロスペクト理論

私なりの私感ですが、
「人は嫌われたくない」と言う考えを持っています。
人と違うことをやる事で「なんやこいつ!?」と思われたくないのです。
一つの損失回避性ですね。
だからプロスペクト理論になるのです。
この世に他人から嫌われない人なんて存在などしないのです。
日本人が同調圧力に弱い理由は、
嫌われたくないと言う考えから来る、
損失回避性=プロスペクト理論であるのです。

同調圧力と行動経済の具体例

同調圧力の例としてこういう話があります。
ある団体が会員に年会費を請求する案内を出します。
ところが何回督促しても…
会費を払い込んでこない会員がいます。
こんな話は山のようにありますよね。
「早く払い込んでください」とメールでお願いしても、
こう言う方にはあまり効果はありません。
逆に…「払い込まないとあなたにこんな不利益がありますよ」という、
脅しとも言えるような文言を入れると多少は効果があるかもしれませんが、
効果は定かではないですし完全ではありません。

催促しても払わなかった方が払うようになった訳

「早く払い込んでください」
「払い込まないとあなたにこんな不利益がありますよ」
これではラチがあきませんでした。
ではどうして、
払わない人が払う方向へ向いたのか?
その答えがコチラです。
「現時点で会費を払い込んでいない会員は〝あなただけ〟です」
といった意味での案内文を作って出せば、
ほとんど1人残らずすぐに払い込んでくれると結果になったそうです。
皮肉ですよね…
同調圧力を利用した案内が、
非常に高い効果をもたらしている事例であると言われています。

なぜ行政が行動経済を学ぶのか?

行政が行動経済を学ぶ理由…
今まで様々な記事を書いて来ましたが、
頭の良い皆さんであればピン!と来ると思います。
その理由は、
ナッジ理論を活用することで、
「選択の余地を残しながらも、
相手が自発的により良い選択をするように導く」事が出来るだけでなく、
ほんの少しの工夫で実践に使えるために、
低コストで高リターンに繋がるからです。
だからこそ!
公共政策において活用が期待されているのです。
学びたいと思いませんか?
次回をお楽しみに

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