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歴史のある街を散策するのは楽しい

上海在住の日本人の間で、上海市内の古き街並みを歩きながら、その歴史や風俗文化などを日本語解説で聞く現地発信のツアーが人気だという。

大人気のスタディーツアーが「白相大上海-Shanghai City Walk-」。2018年からスタートし、運営担当の日本人女性•宇山つむぎさんと、上海歴史研究家の格里董(グーリー・ドォン)さんが中心人物だ。始まりは、宇山さんの友人が上海に来たときに、格里董さんにお願いして5〜6名での街歩きツアーを企画したこと。路地裏で現地の人々の生活を垣間みたり、地元の人たちに混じってB級グルメを食べたり、下町感満載の雑貨店を探検したり。ジワジワと口コミで広がり、定期的なツアー開催まで成長し、現在、ツアーチャットグループの登録者は約300人で、1回のツアー定員は20名。月に2回開催しているそうだ。

「観光では行かないようなその土地の日常を旅する」私もそんな旅が好きだ。

私が北京のホテルで営業をやっていた時、以下のようなマップを作成したことがあった。どちらかと言えば、立地がよくなく、集客の一環として、当時の日本人の総経理の発案で制作したのが、イラスト入りのマップだった。

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このマップを作成する際、実際現地を歩き回る機会をもらった。どのポイントがマップに入れるのがいいのか、ガイドブックを片手に、北京の隅々を自転車で回った。そんな経験もあって、街歩きの面白さを実感した。

北京は、日本では「 ペキン」というが、中国語の発音は、「ベイジン」。この「 ペキン」という発音は、外国人が初めて上陸した中国南部の発音から来ている。金、元、明、清、王朝は入れ替わっても、北京は首都であり続けたこともあり、北京では至る所に歴史の片鱗を見ることができる。街は紫禁城を中心に碁盤の目のように通りが通っていて、西単、東単など、地名にも東西南北がついていてわかりやすい。

散策して目にする通りの名前にも歴史的な由来が残っていたりする。例えば私の勤務していてホテルの近くにある骨董品や書画などを売るお店が連なる「琉璃廠」。文字通りみると、「ガラスの工場」という意味なのだが、明・清朝時代、ここに琉璃瓦を焼く工場があった名残からこの地名が残っているらしい。骨董品や書画などを売る通りになったのも言われがあって面白い。中国では科挙制度が有名だが、試験に落ちた人が、田舎に戻る旅費をねん出するために、持ってきた書物、墨、硯などをここで処分し、次第に琉璃廠がそういったものを取引する場所になったという。

通りを歩いていると色々な人々を目にする。朝、鳥籠を持って歩く人、外に椅子を出して、楽しそうに麻雀する人、歩きながら、物を頬張っている人、外で髪の毛を切ってもらっている人など、人間観察するにはもってこいだ。

日本では見慣れない美味しそうなものも売っている露店を発見したりもする。朝食におかゆと一緒に食べる揚げパン、主食にもなりそうな中華クレープ・煎餅などなど。好奇心いっぱいで注文してみると、意外と美味しかったり、逆に意外と口に合わなかったりする。

中国はこのような歴史のある街であふれている。ぜひ今度中国を訪れたときには、「観光では行かないその土地の日常」を楽しんで見てもらいたい。

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