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【教育展望】世界情勢からみる日本教育の在り方

この記事は2,533文字です。

円安
物価高
公共料金値上げ
防衛費倍増
債務上限引き上げ
etc …

この混迷を深める世の中において、私たち大人は子どもたちのためにいったい何をしてあげられるのだろうか。

ほとんどの大人は「見て見ぬふり」である。

子どもたちの将来のこと、未来の社会のことについて、ほとんど誰も考えてなどいない。

みな自分のことで精一杯だ。

致し方ないことではある。そのように社会システムが構築されてしまっている。

大増税が待ち受ける


そんな中で、私たち大人に何ができるのか。一人ひとりの大人が考えなければならない。

子どもたちにどんな未来を、どんな社会を残してあげられるのか。本気で考える必要がある。


[1]塾ができること

私個人としては、せめて自分の関わる子どもたちだけには、少しでも有利に明るく強く生きられるような「力」を与えてあげたいと考えている。

私の主宰する「吉田塾」(オンラインサロン型学習塾)は、そのような思いを込めて作ったものである。

子どもたちには、次のような能力を身に付けさせてあげたい。

①真偽を見抜く力
②自分で判断する力
③自分で決断する力
④自分で行動する力

この混沌とした世の中において、自ら判断し、自ら決断し、自ら行動していかなければ、迫りくる荒波にむざむざと飲み込まれてしまう。現在の世界情勢を鑑みるに、それは火を見るよりも明らかだ。

[2]現実世界をどう捉えるか

このような悲観的展望を述べると、必ず次のような批判的意見が出てくる。

世の中は捨てたものではない。
世の中は上手く回っているのだと。

そういう人たちは現状認識能力が「ない」のか、あるいは現状認識を「したくない」のか判然としないが、いずれにせよ現状認識を大きく見誤っていると言わざるを得ない。

そのような現状肯定論は、現時点で経済的・社会的に恵まれて、現状に満足している人たちに多い。

そういう人たちが既存の社会経済システムを肯定し、現状の世界を支持することで、「現在の自分の立場を維持したい」と考えるのは無理からぬことである。

[3]子どもたちから見える世界

しかし、そのような社会的地位や既得権益のない、現状を真っ直ぐな目で見ている子どもたちは、この世界の行く末がどうなっていくのか直観的に理解できている。

「この世界に希望がない」ことを直観的に理解している。

「この世は金 (かね) がすべて」と言われるが、例えば「通貨発行の仕組み」ひとつとってみるだけで、この世界がいかに絶望的にデザインされているか理解できる。

「金融システム」などは「目くらまし」の最たるものだ。「円安や物価高」の根本的構造をある程度でも理解できている者は、この日本にいったい何人いるのだろう。

テレビや新聞で報道される表面的な内容だけを、自分の頭で深く考えることなく鵜呑みにしている人たちが本当に多い。

「世界報道自由度ランキング (2022年) 」で日本が「71位」にまで急落しているという事実に、私たちは真摯に向き合わなければならない。

世界の政治経済情勢が危うくなってきているという事実そのものよりも、「皆がその危うさに気付いていない」という事実こそが、真の危機なのである。

日本は先進国中で最下位…
「経済大国」は遠い昔の話


日本だけが下がっている意味は?
どう考えても不自然


日本の飢餓人口は2.5%〜4.9%
(FAO = 国連食糧農業機関)
こども食堂は7,000箇所にのぼる


[4]これから求められる力

そういう絶望的な世の中で、力強く明るく楽しく生き抜くための力。

そういうものが今の子どもたちには求められる。

そこまでの「絶対的な力」を得ることは実際なかなか難しいとしても、仮にひとつ、具体的・現実的・常識的な「力」を挙げるとするなら、「社会的な資格」と言えるであろうか。(それらも微々たる力ではあるが…。)

医師資格・弁護士資格などの国家資格はもちろんのこと、漢字検定・英語検定・数学検定・高卒認定試験など、子どものうちに取っておいて損はない資格を抜け目なく取得しておくことは、この世知辛い世の中で少しでも自分の身を守るにおいて重要である。

「個性を大切にしよう」「みんな仲良く生きよう」などといった宗教のお題目のようなスローガンをいくら唱えても、決して幸福は掴めない。

現実的・具体的に、力強く生きていくための「力」を子どもに身に付けさせることが大人の責務だ。

そういう意味で、私のオンラインサロンでは、子どもがはっきりと確実に力強く生きていくことのできる力・能力に絞って指導を行なっている。

[5]現実世界をどう生きるか

世の中には本当に無駄な「しがらみ」が多い。

学校生活しかり、政治・経済・法律・医療・社会福祉などの制度全般しかり。

世の中のありとあらゆるものが複雑化され、本質が見えにくくされてしまっている。

これからの時代、そういうものに深入りしすぎてしまうと、真偽入り乱れる情報の渦に埋没し、二度と浮上することはできなくなる。

今ここで「本当に必要なものだけ」に絞って注力すれば、誰しもある程度は浮上できる可能性がまだある。

そのための真の教育がこれから必要になる。

私の塾で実際に行なっていることといえば、みんなで楽しく本を読んだり、計算したり、社会見学に行ったりと、ハタから見ると「単に遊んでいるだけ」の戯れ事 (ざれごと) に過ぎないかもしれない。

しかし、これらの活動は、上に述べたような観点を常に意識しながら、この「生き馬の目を抜く世の中」をいかに渡り切るかに照準を絞った指導であり、その真意とするところは、分からない人には分からない。

[6]最後に〜今後の未来に向けて

世の中全体の現状と未来を広く見つめることのできる「大局観」を持つ多くの人たちと、今後さらなる繋がりを深めたい。

今この世の中で実際に起きていることを見て「さすがにおかしい」と感じている人も増えてきているはずだ。

「本質」に絞って現象を分析していくと見えてくるものがある。

本質はいつもシンプルである。分かる人には分かる。

そのような物事の本質を理解する人たちと繋がりを深めながら、少しでも子どもたちに明るい希望を与えていきたい。

それが私たち大人の「生きる希望」にもなるのであるから。(了)

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