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初めて外岩へ行った記録@御岳

2019年10月4日(金)に、6年クライミングをやっていて初めて外岩へ行ってきた。ソロ、電車、平日、外岩デビューというケースに当てはまる人へ何か参考になれば。(かなりポエムの分量が多いが)

持ち物

そこそこ重いマットを背負って、そこそこ悪い道を歩くことになるので、減らすに越したことはない。

●シューズ/チョーク/ブラシ/ウェア一式
ジム用持ち物一式。人によってはテーピングとかも。行って登ってそのまま帰れる服装で行くと、着替える必要がなく、荷物が減らせて良い。
●脱ぎ履きしやすい靴
クロックスを持って行ったが、岩場でクライミングシューズを脱いだ時用 + 岩場間を移動しやすいように、かかとを踏めるスニーカーやアプローチシューズの方が良さそう。
<後日追記> その後、アークテリクスのアラキスという、かかとを踏めるアプローチシューズを買ったが、とても良かった。御岳までの移動、岩場間の移動、低グレード岩でのアップまですべて一足でまかなえるし、グリップもスニーカーより強いので、岩場へ降りて行くときとてもラク。
<さらに追記>かかとを踏めるタイプのシューズがいくつか発売されています。Black Diamond セッションファイブテン スルース
●マット
御岳の場合、後述するショップでレンタルできる。手ぶらで新宿から1時間寝てるだけで着くので本当にありがたい。
●トポ
御岳ボルダリングエリアガイドというフルカラー + 写真のガイドブックがある。クライミングジムや後述するショップでも売っている。Climbing Netの会員限定トポでも大丈夫だが、載ってない岩もあるので。
●敷き物
岩からちょっと離れて休憩する用。レジャーシートか登山用のマットで良い。荷物減らしたければなくてもいい。
●タオル
砂を払ったり、体拭いたりいろいろ。完投後、岩から降りてマットまで歩いてくると、シューズが泥だらけになったりするので、体拭く用と分けて二枚あった方がよいです。
●長いブラシ
ジムと違って上まで登ってブラシをかける、というのがやりづらいので、PAMOを使うか、ブラシ+枝でどうにかする必要がある。PAMOは後述するショップでレンタルもできる。
●軽食
御岳駅近辺にコンビニや売店はないので、おにぎりとかカロリーメイトは買っておいた方がよい。(ゴミ袋もらう/持っていくのを忘れずに)
●持っていけばよかったもの
虫除け(気温が高かったのでまだ蚊がかなりいた)
多めの水(気温が高かったのでジムより汗かいた)

岩場まで

秋になったら平日に有給とって外岩へ行ってみようと思い立ち、候補日が雨で潰れること2回。この日も早起きはしてみたものの、予報通り雨。迷ったが、午後は晴れそうだし、いい加減行ってしまいたい気持ちが勝り、8:30頃自宅出発。

11:30頃御岳駅着。マットを持った人を一人目にしたが、なんとこの人が、この日見た最後のクライマーとなる。水は駅の自販機で買うのが良い。

駅を出て左に2,3分歩くと左手に「マウンガ」というアウトドアショップがあり、マット(1日1,000円)やブラシをレンタルしてくれる。トポはもちろん、カロリーメイトやカップヌードルも売っている。返却は19時まで。

腹ごしらえを済ませようと店を探すが、駅前の中華屋しか見当たらないので、シュッとみたけらーめんを食べ、出発(おいしかった)。

デラシネボルダー

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三大クラシックの一つ、デッドエンドがある発電所エリアへ向かう道すがら、アップのためにまずはデラシネボルダーへ。駅の前から伸びる御岳橋を渡り、右折。おそらく、民家の間からデラシネボルダー付近へ降りられるのだろうと思うが、見つからず、駐車場まで行って、川へ降り、戻る、というコースとなった。駅から10分かからないくらい。

トポによれば、デラシネボルダーには課題が8つある。記念すべき私の初外岩課題は駐車場側から見て左にある6級(トポによればb)ということになった。計6級2本、4級2本を登ったが、雨の影響もなく、わかりづらいムーブもなく「うん、なるほど。岩を登ったな」という薄い感想。早々に片付けて発電所エリアへ向かう

デッドエンド

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駐車場へ戻り、発電所を右手に見ながら行き止まるまで直進、発電所敷地の端の「ここ入っていいのかな」みたいな藪を入っていく。(よく見ると道らしきものはある) 少し直進し、それっぽい大きな岩が見えたら右手、川の方へ下りる。下りるところもよく見ると道らしきものがある。今だにこの行き方で合っていたのか不安である。

お目当て課題のひとつであるデッドエンドに取りついてみるも、スタートのアンダーがびしょびしょで「これがうわさの・・・」と笑ってしまった。
で、結論から言うと全く登れなかった。持つべきところに持てるホールドを、踏むべきところに踏めるスタンスを見つけられなかった。現場でYoutubeを見たりもしてみたが、人がいないので何も聞けないし、岩のコンディションも比較しようがないしで、何もわからないまま次の岩へ。

ところで、駐車場の向かいにピザ屋らしき店があった。(2020年6月追記 台風で閉店したそうです)この日見かけた飲食店は駅前の中華屋と、ここだけ。対岸には他にもあるのかな。(後日追記:そば屋が何件かあるのと、マウンガの前にMitake Terraceというカフェができました)

日影岩・ピンチオーバーハング

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ジムの人に、ピンチオーバーハングとか良いんじゃないですかと言われていたので向かう。御岳橋まで戻って、たもとから川方面へ降りていくのだが、ここも少しわかりづらい。「玉堂美術館 近道」と小さく看板が出ている。

美術館の手前あたりで立派な日影岩が見える。そこから川へさらに降りていくのだが、ほとんど道はない。日影岩は全くノーマークだったが、巨岩をスパッと2, 3回切ってそのまま残したような、ド迫力な岩。マットを水没させそうだったので取り付けなかったが、次回触ってみたい。(後日追記:その後、登れました

ピンチオーバーハングは日影岩の少し奥にあるが、下地が完全に水没しており、こちらもスルー。

マミ岩

この時点で14時くらいだったため、とけたソフトクリーム岩などはスルーすることに。玉堂美術館の駐車場を上がり、車道に出てトンネル方面へ。トポによれば、忍者返し岩方面には川沿いから行くことができないためだ。トンネルを抜けた直後、左手に川へ下りる道があり、少し行くと岩がいくつか見えてくる。マミ岩はそのうちの一つだ。
岩から川までのスペースが広く、見通しも良いので快適。マミ岩右3級、マミ岩右SD2級を完登した。

うちの奥さんは「マミ」という名前なので、縁を感じて立ち寄った次第なのだが、SDをトライしようとした時にちょうど奥さんからメッセが入るという不思議な事案もあった。

忍者返しの岩

チッピング以来、あまり人がいないよ、と聞いた。この日は誰もいなかったし、在りし日を知らないので、比較しようがないが、確かに圧倒的な存在感とチョーク痕から賑わっていたのだろうなと想像させる岩だった。

私自身も、いつか外岩に行くことがあったら登ってみたいと思っていた忍者返しだが、チッピングによって「穢れ」みたいなものを刷り込まれた結果、確かにモチベーションは消えてしまった。

鵜の瀬岩・砂箱岩

駅と逆方向へ川沿いを行くと、鵜の瀬(うのせ)橋という橋が見える。階段を上がって対岸に渡り、右手から川の方へ降りていくとすぐに岩がある。それが鵜瀬岩、隣にあるのが砂箱岩。ジムの人に「立ち鵜もいいですよ」と言われていたのだが、猫飼いとしては先に猫砂@砂箱岩をやりたいなと。なお、「立ち鵜」というのは通称のようで、トポには「鵜 1級」と書かれている。

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猫砂 1級、下部はガバだが、中部の右手カチがほとんど持てず、それをカバーできる左手のホールドも見つけられず、あえなく敗退。1級、一本くらいは落としたかったが残念。(後日追記:その後、登れました

初外岩感想

16時を回り、陽も落ちつつあったので、エゴイストがあるロッキーボルダーはあきらめ、河原で少し休憩し、外岩について少し考える。

こう言うとかなり語弊があるし、個人の感想なのだが、外岩 = 少し毛色の変わった遠征先のジム、というポジションになりそうだ。ありていに言えば、ジムとそんなに変わらないのだな、と。

<ジムとの共通点>
・基本動作
・落とせない課題に対しては「次こそ」という気持ちになる
・ひと目で惹かれてしまう課題がある
・課題とそのムーブについてワイワイ人と話す

歴史を紐解けば、外岩の練習をするためにジムができた、ということだそうなので、似ていて当たり前なのだが、逆側(つまりジム→外岩)から入門した人間からするとこれは新鮮な発見だ。ミュージシャンの音楽のルーツをたどるのに似ているかもしれない。
一方、細部において違いはある。

<ジムとの違い>
・ホールドとスタンスのシビアさが無段階で、極端に言えばどれでも持てるし、どれでも踏める
・ホールド替えによって課題が消滅することがない→これはいい
・音楽がない→これはいい
・天候に諸々左右される (暑い、寒い、乾いてる、濡れてる、岩水没など)
・落下リスク
・遠い

外岩とジム、どちらが好きかと言えば、単純に、ジムの方が行きやすいからジム、ということになると思う。しかし、名前がつけられた課題が、宿題としていつまでも残っている以上、また行くことになるだろう。

なお、御岳のグレード感は品ロキに近い。長年の疑問が晴れただけでも来た甲斐があった。

帰り

河原から車道へ出て、御岳駅方面へ歩く。マウンガまでは10分くらい。
お昼の中華屋で軽く夕食を、と親子丼を頼んだ。砂糖の存在感が大きいタイプの親子丼だった。

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