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逃げるは恥だが役に立つ

これまでのマスコミ・放送メディアにおける最大の武器は「電波」を持っていることです。「電波」は国に事業者として免許を発行してもらうことで割り当てられ使用できます。電波事業所は限られるため、得られる「既得権益」は強力であり、昔は「免許商売だから潰れることはない」と、関わる人たちは口を揃えて言っていました。確かに「電波」は限りある資源であり、ある意味、電力などの生活インフラに近い存在として、永遠に影響力を持つものだと考えられてきました。ですから、この後に及んでも、どんなにネットメディアが影響力を持ったとしても、認めたくないのです。既存メディアは、最後までYou Tubeやニコニコ動画をやることに抵抗しました。今、テレビでGoogleやNetflixのCMを流していることに苦笑してしまいます。文字通り、札束でほっぺたをペチペチ叩かれている訳です。これから先、日本の宣伝媒体(放送)は海外企業の宣伝のために使われ、日本企業の宣伝には海外企業のメディアが使われるでしょう。日本企業が日本企業の中でお金が回ることが基本。その上で外貨を稼ぐということができたから日本は経済大国になれたわけですが、現在の日本は「通信」という生活インフラを海外に押さえられているので、イメージとしてはアメリカ企業に日本の電力を押さえられているようなものです。日本経済はかなり厳しい状況だと思います。

インターネットメディアの登場により、大手広告代理店の思い通りにならなくなってきたことは、芸能事務所の力を失わせることになり、日本の放送メディア全体が健全化に向かっているとはいえ、経済的には大きな打撃になりました。最大手の◯通などは政府主導の国レベルで行う大きな事業だけでやっていくつもりだったでしょうが、それも東京オリンピックの失態により、儘ならぬ世の中になったなぁと感じていると思います。もはや、広告代理店は金さえもらえれば、取引先は日本企業でなくても構いません。日本の未来を考えている余裕はありませんから。大手商社も近年は中国企業との連携を模索しています。また、芸能事務所が力を発揮できなくなったことはジャ◯ーズの崩壊と共に明らかです。紅白でわかりやすく1組も出ないという逆忖度が、今までどれだけ忖度されていたかをわかりやすく表してしまいました。

電波」には大きな魅力がもう1つあります。芸能人を使えるということです。タイアップとは代理店がクライアントと芸能人を組ませる得意技の1つでありますが、インターネットの進化により、CMがカットできたり、テレビ離れが進んだり、CDが売れなくなったり、タイアップに頼らないヒットが増えたり、終いにはテレビに関係ないヒット曲ばかりです。業界人にとってみれば、どんどん飯のタネが減っている訳です。しかも、You Tubeは、芸能人でもないのに影響力を持つ素人がたくさん現れたり、「大手事務所にも所属していないくせに俺らが自由にブッキングできねえじゃねえか。めんどくせぇ。」的な。当時、そんな声がちらほら聞こえてきていました。

極め付けはクライアントが「You Tuberとコラボしたい」とか言い出す始末。You Tuberは、ある意味、芸能界の地外法権です。今まで、金や女やバーターなどで、有名俳優、モデル等の事務所と関係性を作ってきた業界からすれば、突然、外国から黒船襲来みたいなもんです。どうすることもできません。しかも、国が動かない限り、芸能界全体が関わってもどうにもなりません。残された道は「開国」しかないのです。ガーシー氏が政治家に矛先を向けなければ、ひょっとすると、芸能界はもっと良い方向に向かっていた可能性もあります。今は電波をどうするかによって、業界と政界は若干仲が悪いので、今後の展開を生暖かく見守っていきたいと思います。

そして、今、日本国民は、AndroidかiOS搭載のスマホを使い、会社ではMicrosoft社のOfficeを使い、普段からGoogle社のYou Tubeを見たり、ByteDance社のTikTokやMeta社のInstagramを活用して素人がインフルエンサーと名乗り影響力を持ち始め、Xで情報を得て、Amazonで買い物をする。このどこに日本企業が入る余地があるのでしょうか。日本がこれからどのようにどのような分野で世界と戦っていけば良いか。本当に考えなければならない時です。後、数年もすれば、テレビやラジオが支える「電波帯域」は無くなるかもしれません。Wi-Fiなどのデジタル化に使いたいですから。テレビはケーブル化がどんどん進んでいます。もう電波を飛ばす必要はなくなりますよね?

この時代、何でもやってみた方が良い。


私はこの業界から足を洗うのが遅かったですが、人生の半分を過ぎた今からでもできることはあると考えています。業界の考え方は「わざわざ変えなければ変わらなくて済む」でしたが、自分たちが変えなくても、世界基準で勝手に変わっていくのです。iTuneの登場で日本の音楽家たちの図式や生活が大幅に変わったことだけ見ても、今後、日本だけで何かを成し遂げることは不可能です。このまま永遠に電波事業は続くのだ。と考えていた放送メディアの社員たち。超優秀な大学を卒業したのに、業界の甘い汁にとっぷりと浸かり、鍛え抜かれた明晰な頭脳を1度も使うことなく、欲に塗れ、金とSEXのこと以外に考えることがなく、視聴者を印象操作することを楽しみにしてきたと思います。もう十分に楽しんだでしょう? もう引退して良いと思いますよ。

天空の城ラピュタの如く、日本のマスコミは、今まさに「バルス!」と叫ばれる瞬間です。未来ある若者ほど、全力で「逃げて」欲しいと思っています。先輩達が欲に塗れて何もしてこなかった日本の放送メディアは、このまま放送用電波帯と共に消えていくのです。

絶対に放送メディアに来ないように!
局アナなんて目指しちゃダメ!
全力で逃げて!



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