見出し画像

「インドの猛虎(狂虎)」タイガー・ジェット・シンって覚えてますか? ”回顧録外伝”

1970~90年代に日本のプロレス界で悪名を轟かしたインド系カナダ人のプロレスラー、タイガー・ジェット(ジートとも言う)・シン。ここではタイガーさんと呼ばせてもらいますが、彼はここトロントに住んでいるのです。正確に言うとトロント市の西郊外にあるミルトンという新興ベッドタウンに住んでいます。これは、ついちょっと前に発見したのですが、タイガーさんは私と同じ1944年に生まれ、誕生日も11日違いで私の方が先に生まれていました。


今から13年ほど前、私がトロントのNタイムスという日本語の週刊コミュニティー新聞に勤めていた時に、かつて日本のプロレス界で狂暴きわまりない悪役として超有名だったタイガーさんが現役を引退した後、ミルトンに住んでいるという話を聞いて特別インタビュー記事を企画したのです。
ご本人の承諾をいただいて車で1時間弱かかる彼の自宅を訪れました。噂には聞いていましたが、広大な敷地の遥か彼方に大きな豪邸が建っています。鉄製のゲートはロックされていて脇にあるインターコムに向かって「只今、到着いたしました」と告げると、ゲートがスルスルと開きました。1メートル90センチの巨体のタイガーさんに家の中に案内され、息子の元プロレスラー、タイガー・アリ・シンさんにも紹介されました。この息子さんもお父さんより数センチ高くて厚い胸板、丸太ん棒のような上腕の持ち主でした。後で分かったことですが、大きな家に住んでいるのは3世代の家族全員が一緒に住んでいるからでした。


2人の威圧的な巨人を前にして私は最初、緊張気味でしたが、話をしている間に特に息子さんはとてもフレンドリーで始終、笑みを絶やさない感じの人であることが分かりました。タイガーさんも一見、近寄りがたい風貌と重い語り口で最初は会話が順調に運ばない感じでした。でも、段々、かつての日本のプロレス界で活躍した当時の話や家族の話題、プロレス以外のビジネスのことなど語るうちに打ち解けてきました。
私は整理が上手にできない人間で、タイガーさんの特別インタビュー記事の切り抜きもどこに埋もれているか分からない始末です。それがあればもっと細かくインタビューの内容にも触れられるのですが。。。。


私がいちばん印象に残ったのは、タイガーさんはどんな話をする時にもほとんど必ずと言っていいほど、初めに「神の恵みによって。。。(By the Grace of God ….)」で話し始めるのです。かつてプロレスの悪役で売っていたころは会場の入場行進の時からサーベルを抜いて観客席で大暴れし、逃げ回るファンを追いかけ、中には負傷者が出るような一幕もあったというタイガーさんの口から「神の恵みによって。。。」と繰り返し語られるのは大変、印象的でした。実は彼と息子さんは地元を中心に幅広い慈善活動に取り組んでこられているのは広く知られていることです。

タイガー・ジェット・シン


このインタビューをした時に私が写真をいっぱい撮ったのですが、それらも残念ながらまだ見つかりません。1枚だけ出てきたのがありましたが、これはインタビューの後日、タイガーさんから「奥さんを連れてまた来なさい」と言われてワイフと一緒に訪問させていただいた時に、たしか息子さんに撮ってもらったものです。この時はなぜかいつも頭につけているターバンを外しておられました。写真右で変なガッツポーズをとっているのは13年前の私で、真ん中がタイガーさん、左が13年前のワイフです。

好き勝手にやっていますので、金銭的、経済的サポートは辞退させていただきます。ただ、スキ、コメントは大歓迎させていただきますので、よろしかったらお願いいたします。望外の喜びです!