インターンシップをオンラインで主催するときの設計方法とツールの選び方

コロナウイルスの影響で企業の採用活動にも大きな変化が生まれています。
「そもそも採用活動を継続するか」という大きな話もありますが、何かしら活動をする場合、オンライン活用が必須になっている状況です。

今までは、説明会や面接が首都圏でしかできないことや定員数に限りがあるためオンラインでも実施するなど、メイン施策を補強するサブ施策でしたが、今はオンラインでしかできないためメイン施策の位置付けです。

そんな中、次の世代の採用活動の計画が始まっています。
そこで当然話になるのが「インターンシップのオンライン化」。
ジョブウェブ時代の先輩が経営されているプロジェクトデザインではインターンシップのオンライン化の相談が複数来ている状況です。

そこで今回の記事では、インターンシップをオンラインで実施する際に出る以下3つの悩みに答えいく形で整理していきます。

・どんなプログラムであればオンラインでできるのか
・プログラムをどう考えれば良いのか
・何のツールを使うのが良いか

インターンシップのオンライン化を検討されている人事の方や、採用支援会社など全ての方の参考になれば幸いです。

どんなプログラムであればオンラインでできるのか

会社説明をして現場社員との座談会をするような会社説明会や選考中のフォローのような機会であれば問題なくオンライン化できますが、インターンシップの場合、参加者が「職業を理解すること」と「学びがある=成長を実感できる」プログラムである必要があります。

そう考えた時に以下のようなプログラムが候補になります。

・グループディスカッション形式(ケーススタディやサービス立案など)
・ロールプレイング形式(営業ロープレなど)
・ビジネスゲーム形式
・就業型インターンシップ形式

上記の中では就業型インターンシップ以外は問題なくオンラインで実施できます。
実際の仕事を任せる就業型のインターンシップをオンラインでできるかは、「実際の仕事をリモートでできるか。その中でも業務を切り出して任せることができるか」に関わってくるかと思います。

プログラムをどう考えれば良いのか

では、実際にオンライン化のプログラムを考えてみましょう。
多くの企業で実施されている「グループディスカッション形式」を事例に考えてみます。例えば、オフラインで以下の形式で実施していたとします。

1.アイスブレイク
 ・目的の共有
 ・参加者同士自己紹介
2.グループディスカッション前の参加者へインプット提供(サービス立案の場合)
 ・業界や市場が向き合っている課題
 ・サービスの考え方
 ・自社が保有するリソース、
3.グループディスカッション
 ・資料の読み込み
 ・同じチーム内での議論
4.参加者発表
 ・1チームずつ発表
5.結果発表&フィードバック
 ・優秀チームの発表
 ・全体へのフィードバック
 ・自社の事例紹介
6.現場社員も交えた質問会
 ・現場社員自己紹介
 ・テーブル毎の質問会

上記のプログラムをオンラインにした場合、以下のような対応方法が考えられます。

インターンシップのオンライン化

ツール毎に運営方法は変わりますのでそのあたりは「何のツールを使うのが良いか」でご紹介します。

上記をベースに、参加者へ提供する情報の内容や量をコントロールしたり、提供方法を工夫することで開催方法を工夫できます。

例えば以下のような考え方です。

インターンシップのオンライン化2

どうでしょう?
だいぶオンライン化のイメージは湧いてきましたでしょうか。

ここまでを読み「であればこんなこともできるな」と発想が広がる人もきっといると思います。私自身もまだ発想は広げたいので、ぜひ発想が広がった方はTwitterやFacebookでお話ししましょう。

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オンライン化とは話がそれますが、サービス立案、ケーススタディ、ロールプレイングなどをグループディスカッション形式でやる場合の物足りない点は、コンテンツで表現できる状況が断片的になってしまう点です。

コンテンツで表現できるのは「ある特定の状況を切り取り、参加者がその状況に対して情報を整理し、考え、提案する」という内容になります。

ただ、実際の仕事を考えると、その先があり、その先での試行錯誤こそが仕事の醍醐味だったりします。例えば、以下のようなことです。

・営業であれば顧客に提案し、更なるご要望をいただくことで、自分では思いつかなかったより良い提案が出来上がる。
・マーケティングであれば、最初は人が全然集まらない中、仮説を立て、打ち手を打ち続けることで徐々に良い変化が生まれ、振り返ると大きな飛躍を遂げている
・サービスやシステム開発であれば、実現したいゴールや課題の解決に向けて実装したことで新たなゴールや課題が生まれ、開発を続けることで多くの人が使い続けるサービスやシステムが出来上がる

意思決定を何度も繰り返し変化に対応し変化を自ら起こすことができるなどの「時間軸に幅を持たせること」。

また、事業の顧客は1社、1人ではなく、複数の状況に向き合い解決策を考え続けるなどの「状況の幅を持たせること」。

概念図はこのようなイメージです。

インターンシップのオンライン化3

これらの表現を加えていくとより現実の仕事を疑似体験できるようになります。こういった現実のビジネスをシュミレーションすることで、仕事のやりがいやそこで求められる力を体験を通じて自分の言葉で話せるようになるコンテンツが「ビジネスゲーム形式」と言われる類のものです。

これもオンライン化できるように開発が進んでいますが、この辺りはコンテンツのロジックも相当プロフェッショナル集団のプロジェクトデザインの皆さんに相談されるのが吉ですので最近の記事を紹介してこの辺りにします。

https://www.projectdesign.co.jp/2020/04/22/14728

何のツールを使うのが良いか

最後に「いろいろやれるのはわかったけれどもツールはどれを使うか」について書きます。

現状候補に上がるのはこの4つではないかと思います。

・Zoom
・Remo
・Google Meet
・Teams(Microsoft)

実施企業側であれば「自社のセキュリティ方針として何のツールが使えるか」で決まりますが、オンライン化を支援する第三者であれば、どのツールでも対応できるようになる必要がありますので、各ツールの特徴を把握しておきましょう。

インターンシップオンライン化 プログラム対応表_-_Google_スプレッドシート

プログラムの行にある◎と○の違いは運用上のスムーズさの違いです。

<Zoom>
URL:https://zoom.us/
Zoomの特徴は何と言ってもブレイクアウトセッションができること。
全参加者が最初はメインルームの部屋に入るのですが、メインルームの中に複数の小部屋を作ることができます。そのため全体進行をメインルームでしつつ、ディスカッションを小部屋で行い、その後の全体発表やフィードバックをメインルーム。社員質問会はブレイクアウトルームとスムーズに運営が可能です。
唯一惜しいのは、小部屋間の移動がスムーズにできないことです。
一度メインルームに戻り、主催者に移動したい部屋を伝え、部屋を移動する。同じアクションで元の部屋に戻る。とオペレーションが煩雑になるため、30〜40人規模になるとオペレーションができないと考え「×」にしました。懇親会は時間を60分を20分間毎に時間を区切ればできるため「○」にしています。
あとはセキュリティ面が騒がしいですが、これを機に強化されていますので、今後に期待です。

<Remo>
URL:https://remo.co/
Zoomでできなかった小部屋間、参加者のテーブル間のコミュニケーションをスムーズにできないものか。と悩んでいたところ出会い衝撃を受けたのがRemoです。
ですので、私としてはZoomとRemoの組み合わせが現状は最強です。
Remoは参加型のプログラムを行う上で非常に素晴らしいのですが、惜しいのが「参加者からの発表ができないこと」と「1つのテーブル・部屋に6人までしか座れないこと」です。
例えば、各チーム毎に代表者が発表することができません。また、プログラムの最後に参加者30名に対して役員や現場社員が合計4名出て来る場合、各テーブルは7〜8名になるのですが、それはRemoではできなくなります。
そして、悩ましいのはセキュリティです。おそらくZoomがNGな企業はRemoもNGになる可能性が高いと考えています。

<Google Meet & Teams>
URL:https://gsuite.google.co.jp/intl/ja/products/meet/
URL:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software
無難な運営ができるのがGoogle MeetとTeamsです。
参加者をいくつかのテーブルに分けてディスカッションしてもらう場合、テーブル数分のURLを作る必要があります。
30人で一テーブル5人だとすると、6テーブル分のURL。そして全体会議室用のURLを1つと運営者限定のURLを1つで合計8つのURLを発行。それが、参加人数が増え、テーブル数も増えるとその分URLが増えるため、ZoomやRemoほどのスムーズな運営ができないのですが、1つのツールで運営ができる点は有難いです。

以上のように、ツールによって運用は変わります。

「なぜこのように一長一短でドンピシャがまだないのか」と思うかもしれませんが、私見としては、多くのツールでの設計思想は、「ミーティング」なのか、「Webinar = セミナー」なのか。で機能を分けて考えてきたからではないかと思います。

ミーティング機能は双方向性があり、参加者全員の関係は基本フラットで、参加者全員がカメラをOnにでき、発言も画面共有もチャットもできる。
Webinar機能は限定的な双方向性で、発言できるのは主催者。参加者はカメラをOnにできず、発言はチャットや拍手などのアクションのみ。

そのためミーティング機能をインターンシップのような小会議室には入らないような人数で実施するにも工夫が必要で、Webinar機能をインターンシップのような参加型のコンテンツでは無理があると感じてます。

インターンシップや研修のような形式はミーティングの参加型とセミナー形式の大規模運営を両立させる必要があるためまだそれに適したツールが出ていないと感じています。(だれか作ってください!)

最後に

冒頭にコロナウイルスの影響で、採用活動でオンラインがメイン施策になっているとお伝えしましたが、個人的にはこれが一時的な対処方法で終わらず、このままメイン施策になっていくことを願います。
というのも就職活動には長らく解決できていない問題があるからです。
それは「地域による機会格差」です。

機会格差は以下のように地域毎の企業数の違いに起因します。
様々な指標で言えますが、例えば2020年5月3日時点でマイナビ上の企業検索をすると以下の企業数の違いがあります。

東京・神奈川・千葉・埼玉:11344
大阪・京都・兵庫・奈良:3947
愛知・岐阜・静岡・三重:3133
北海道・宮城・福島・山形:1575
広島・岡山・香川・愛媛:1536
福岡・熊本・大分・鹿児島:1515

ご覧のように首都圏が圧倒的です。そのため必然的に、インターンシップ・説明会・面接の機会の数は首都圏が多くなります。

情報は採用HPで平等に見れますが、一方で採用HPに掲載されている情報は更新頻度が少なく、情報量が限られているため、直接話せる場だからこそ聞ける情報がある限りは差が出てしまいます。

ですので、今回のオンラインがメイン施策になっているこのタイミングで、企業・参加者共に成功体験をすることが、就職活動が長らく解決できていない問題を解決できると可能性を感じています。

成功体験をすると、企業からすると1つの機会で全国、海外で留学やインターンシップをしている学生にもアプローチできますし、学生としても移動の時間とお金をかけずに学びを得られる。その上で対面でやるべきは何かを研ぎ澄ませると思います。

是非、オンライン活用を成功させていきましょう。

今回の記事が、オンラインの採用活動の成功に少しでも貢献し、それが就職活動の地域による機会格差の解消にもつながれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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何かご相談ございましたらこの領域でしたら全てプロジェクトデザインにスペシャリストが集まっていますので、ご相談いただければと思います。

ありがとうございました。

・参考記事
会社説明会のオンライン化に関する記事も書いています。

追伸
今回はnoteのみんなのギャラリーから画像を選びました。
素敵な画像をありがとうございました。

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