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「自分の頭で考え、権威を疑え」byティモシー・リアリー

「Think for yourself. Question Authority」という言葉について考察。
「自分の頭で考え、権威を疑え」

アメリカの心理学者、元ハーバード大学教授のティモシー・リアリーが広めた言葉とされています。

ティモシー・リアリーって誰よ?

この人、大学教授でありながら、当時のアメリカでは合法だった幻覚剤「LSD」と出会い、麻薬を使って脳や精神の臨床研究を行ったマッドサイエンティスト的と言ってもいいお方。
そのような研究の第一人者として、1960年代のサイケデリック・ムーブメントの教祖のような存在になります。

その後、マリファナ保持で逮捕されて長期間服役しますが、刑務所の中でも著作活動は続け、釈放後の'80年代はコンピュータに着目して研究を行います。

ティモシー・リアリーのインタビューでは、コンピュータの話題も多く、スティーブ・ジョブズの名前も出てくるので、見出し画像はApple Computerを使ってみました。
人物について書いてると、とめどなく長くなるのでヤメ。

今回の主なテーマは「Question Authority(権威を疑え)」です。

Think for yourself.

「自分の頭で考えよう」という言葉は、ちきりんさんやホリエモンさんの書籍でも、たびたび出てくるフレーズです。

テレビや本の情報をそのまま受け入れたり、他人の意見を鵜呑みにするのではなく、咀嚼した上で自分の意見を持つ必要があります。

世の中には、いろんな立場からの意見があるので、自分の頭でちゃんと考えないと、矛盾した考え方や、対立意見まで、どちらも正しいように思えて、考えがブレブレになってしまいます。

時代や知識取得によって、考えがアップデートされる変化ならいいのですが、単に他人の異なる意見に振り回されるのはダメよ、ってことです。

Question Authority.

「権威を疑え」

権威とは? ヘイ辞書 ↓

【権威】(けんい)
①他を支配し服従させる力。
「親の―を示す」「―が失墜する」
②ある方面でぬきんでてすぐれていると一般に認められていること。
また,そのような人。オーソリティー。
「その道の―」

大辞林 第四版

私たちが知識を得たり、物事を考える時、その指針となるのがオーソリティ(権威)です。

身近な存在としては、親や先生なども相当するかもしれませんが、一般的には、権威とは「その分野の第一人者」ともいうべき存在です。
人物の場合もあれば、組織の場合もあります。国とか機関など。

統計資料や調査結果など、「データ」を参照する場合には、権威がある組織が公開している資料を参照するのが最も合理的。
人口だったりお金だったり、主なデータは数字の一次情報です。
多くの人が、資料としてそのデータを参照するため、最も信頼性が高い情報と言っていいと思います。

しかし、データではなく「思想」「考察」についてはどうでしょうか。

これらは正解が1つではないため、権威(オーソリティ)がアウトプットしている情報が、必ずしも正しいとは限りません。
だから、「Question Authority(権威を疑え)」が重要なのですね。

よく聞く「有識者」の会議や意見ってのは、本当に信用できるのか?って感じで、信頼性は高くないと思います。まさに「疑え」の姿勢で聞くべき。

なぜなら、彼らの思想や考察は、あくまでも過去の蓄積が根拠になっているから。
たしかに、前例が重要なことや、既定路線のまま進むような事柄であれば、信頼に値することが多いと思います。

しかし、「現在」の分析や「未来」の予測になると、権威も一般人も、さほど変わらないのではないでしょうか。


現代は、一個人がメディアを持てる時代です。
ちょっとしたインフルエンサーなら、「自称 権威」になることも可能。

全く実績がないと厳しいでしょうが、ちょっとした実績さえあれば、「○○する方法」「これからの時代は○○です」のような記事を書くだけで、あたかも権威のように振る舞うことができるのです。

権威の定義をもう一度確認してみます。

①他を支配し服従させる力。
②ある方面でぬきんでてすぐれていると一般に認められていること。

大辞林 第四版

資格や国のお墨付きなどは必要なく、実績の量や質、経験の長さなども基準はありません。

この定義を、そのまま「インフルエンサー」に当てはめても、さほど違和感はないですよね。
一般人でも「権威」っぽく振る舞える可能性がある時代なのです。

「疑え」というのは、何でも鵜呑みにするなということなので、ケチを付けたり批判の対象になる、ということではありません。
常に他人を信用せずに疑ってかかる、という意味でもないですよ。

えらい人が言ってるけど、ホントにそうなのかな?と疑問を持つことが大切。

最終的には、何ごとも自分で裏付けを取り、自己責任で判断しないといけない、ってことです。

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