見出し画像

Vol.13_『経験をデザインする人材育成...』

こんにちは。

先日愛車で事故をしてしまいました。修理にも相当時間がかかり、紅葉の季節を迎えている時期に趣味のドライブが出来なくなって、少々凹んでいる今日この頃です。皆さん、安全運転しましょう...

さて、今日は、人材育成についてお話したいと思います。

人を育成するのはとっても難しく大変なことで、私自身は「人を育てるなんて...」と半ば諦めの境地でありますので、育てるんじゃなくて「成長したい!と頑張る人を支援する」という風な考えに至っている次第です。

この「支援する」ということもそれはそれは難しいことで、実践できているとは言い難いのですけれど、「こんな風に支援できたらいいな」と思うことがあり、お話したいと思います。

※貼り付けた写真はドライブに行った先々で写したものですが、特に意味はなく、本文とはなんの関係もありません。


1.2つのポイント_経験のデザインと意味付け

人材育成においては、以下の2つの大事なポイントがあると思います。

『経験をデザインする』
その人の現在の仕事に関する考え方や進め方は過去の経験が大きく影響していることは疑いようのない事実だと思います。それは、あの有名な米国ロミンガー社の研究による『70:20:10の法則』(経営幹部に「どのような出来事が役立ったか」について聞くと『70%が経験、20%が薫陶、10%が研修』という回答であったというもの)からも頷けるところです。(この法則についてどう解釈するかは様々な意見があると思いますが...)

ですので、ただ目の前にある仕事をこなすことを『経験』とするのではなく、成長に効果的な『経験』を意図的に行う...つまり『経験をデザインする』ことは、人材育成を考える上で重要なポイントの一つにして良いことではないかと思います。

若手有望社員をプロジェクトリーダーに任命して経験を積ませるという話がよくありますが、『経験をデザインする』という良い例だと思います。

『経験を意味づけする』
貴重な経験が出来る仕事であっても、ただ任せるだけでは当の本人が折角の機会を十分に活かすことが出来ない可能性があります。本人だけではその経験が意味することを整理できず、意識することも出来ず、従来どおりの仕事の進め方をしてしまうかもしれません。

自分が見たいもの・普段から意識していること・自分ごととして捉えられることなどに自然に目がいく「カラーバス効果」というものがありますが、逆に言うと、意識していないものには目が向かないということ。

その経験にどんな意味があるのか?そこから学ぶことにはどんな意味があるのか?と『意味づけする』ことは、本人に日々の仕事の中で自然と学ぶべきことを意識させ、目が向くようにするとても有効な方法のように思います。

画像1

2.なぜ経験のデザインと意味付けなのか?

人は、自分が担当する業務を行うだけでも成長すると思います。最初は出来なかったことも何度も繰り返し行うことでコツを掴んでだんだんと出来るようになっていく...これも成長だと思います。

しかし、これが企業の人材育成と言えるかというと疑問です。本人は成長したと感じるかもしれませんが、企業としては、ただやらせただけならば「OJTと言う名の放置プレイ」をしただけであって、人材育成などとは呼べないように思うのです。

また、先輩が後輩に作業手順などを教えることを人材育成と呼ぶ人がいますが、私はそれも違うと思います。作業手順を教えることなんぞは育成ではなく、先輩に課せられた当たり前の仕事だと思います。それを『育成』と呼んでしまっているので、先輩から「後輩を育てる」とか「若い人に教えてやる」などと上から目線のフレーズが発せられるように思います。

私は人材育成とは以下のように考えています。

その人自身が主体的に、より早く、より大きく、より質高く成長しようとすることを促し、それを支援する取り組みのこと

成長するための経験を意図的にデザインし、その経験が持つ意味を本人としっかり共有することは、その人の成長を促し、支援することになるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか…。

3.気をつけたいこと

(1)成果を急がない
どういう成長を期待するかにもよりますが、物の見方や考え方とか、リーダーシップやマネジメントとか、そういう類の成長を期待する時には、短期間の経験で目に見えた成果が確認できるかというと、それは難しいように思います。

経験から学び、自分のものにするという事は少々時間がかかるものだという覚悟が必要だと思います。

(2)本人の意思を反映する
経験をデザインする時や意味付けをする時に重要なのは本人の意思だと思います。会社の思いだけで進めてしまうと成長はものすごく鈍ると思いますし、場合よっては会社への依存を高めてしまう事にもなりかねません。

本人が望む経験や成長をしっかりと反映させたいものです。もちろん、それは会社の価値観や大事にしていることとある程度の親和性が必要だとは思います。

(3)定期的にフォロー(ケア)する
フォローをするというと、面談して感想を聞いたり、生かせている点や今後の課題などのレポートを提出させたりする事が頭に浮かびますが、大抵の場合、それは上司や経営者らに向けた表面的のもののような気がします。

会社としては、日々の仕事の中でその人の成長を実感できる時が来ればいいので、こういったレポート等で確認しようとするのはやめても良いのではないかと思うのです。

そのかわり、メンターとかカウンセラーとか人事担当者といった人たちが、本人が経験を重ねていく過程で、彼らの気持ちや状態を確認しながら、経験から学んだことを生かす行動を自主的に起こせるように寄り添っていく…そんなフォローが出来れば良いなと思います。

画像2

4.まとめ

冒頭申し上げたように、自分自身は成長を支援するようなことが出来ていないので、講釈だけをつらつらと書いたコラムになりました。

ただ、今回書いていて、ここ数年自分が思ってきた「人の成長に寄り添って支援していく...そんな仕事ができればなぁ」という想いをあらためて確認することが出来ました。ありがとうございました!(誰宛のお礼?)

では、また。

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?