Vol.15_経営トップには『評価される機会』がない。ならば自省してもらおう...
2021年も残すところあと僅かとなりました。時の経過は早いですね…。
毎年毎年、不甲斐ない一年を送ってしまい、年の瀬に焦りを感じることが恒例行事となってしまいました。笑笑
さて、今日は少し斜に構えたお話をさせていただきたいと思います。
それは『経営トップの評価』についてです。
上場企業などでは株主からの評価や役員報酬に業績反映方式を採ったりするなど、経営トップの成果に対しての評価がされていると言う事もできますが(できるのか?)、中小企業においてはその機会はほぼ皆無と言っても良いのではないでしょうか?
えーーーー?!いちばん大事なところなのに、それでいいの?と今更ながら感じてしまった私が、一石を投じる思いで取り入れた対策(『嫌がらせ』とも言う)についてお話します。
※貼り付けた写真はドライブに行った先々で写したものですが、特に意味はなく、本文とはなんの関係もありません。
1.きっかけは無残な業績
経営トップの評価について考えるに至ったきっかけは『業績』です。当社では営業赤字が数年続いており、2021年もほぼ営業赤字が確定しています。(本業以外の収入があり経常利益はわずかに黒字。)
そして、来年2022年から始まる3年間の中期経営計画での業績目標も、最終年(2024年)での営業黒字化…。つまり、2023年まではまだ営業赤字が続くという状態なのです。
もちろん、コロナを始め様々な予期せぬ外的要因があり、かつ市場もシュリンクしていくことが明確な業界、加えて差別化が難しいとされる業種であることなどなど、大変むずかしい状況ではあるのですが、だからこそ何もしないでいることは「座して死を待つ」ということになります。
ここまで業績が悪化した要因は、様々な外的要因のみならず、長年に亘って醸成されてきた社風や慣習なども含めた社内の問題も数々あると思われます。
特に私が最も気にしているのは、諸々の会社施策に関して、やると言ったことをしない、したかどうかを確認しない、出来ていないのに放置する、といった“管理されていない状態”です。あろうことか、経営者自身の仕事自体がそのような状態に陥っています。
まずはこの状態から脱しないことには、「とにかく“やる”と言っておけばいい」「出来なくても構わない」という空気になり、効果的な施策が展開される期待など全く持てません。
そこで、経営トップ自らが、これまでの行動を見直す必要があると感じたのです。
2.経営トップに自省を促す
しかし、大上段に構えて「経営者たるもの…」とあるべき姿を掲げても、「そりゃ、もちろんそうだ」となるし、下の者から突きつけた日にゃ「お前に言われんでもわかっとるわい」と機嫌を損ねかねません。(損ねても構わんですが…)
また、業績連動型の役員報酬・賞与については、規模も小さく、景気の影響も受けやすく、元々ぎりぎりトントンかどうかという中ではなかなかシビアな業績連動は取りにくいですし、長期的視点に立って臨機応変な経営ができる同族中小企業の利点を殺してしまうことにもなりかねません。
どうしたものかと思案していた時に、上半期の人事評価の時期になり、私自身も評価シートに自己評価を書き込んで提出し、面談で上半期の成果について話し合う機会がありました。そこでふと、面談相手の社長を見ながら、「経営者はこの上半期をどう振り返るんだろう?そもそも、振り返ったりするんだろうか…?」と思ったのです。
業績ははっきり出ていますし、各部門の成果とそれに対する評価がすなわち経営者の成果であり評価であるということなのですが、それはあくまで“結果”の話。
大事なのは、その業績や各部門の成果に、経営者としてどのように関わったのか?もっと言えば、どれだけ経営者として貢献したのか?さらに言えば、経営者として何をしたのか?
そうだ!各部門が展開した施策に関して「経営者として何をしたのか?」を振り返って明確にしてもらい、自省してもらおう!そして、四半期ごとの部長会でそれを発表してもらおう…
経営者は嫌がるだろうと思いましたが、『部長陣は毎月施策の振返りと活動の評価をしているし、上期下期の人事評価もある。四半期に一回くらい管掌範囲の活動を総括して経営者自身の振り返りをしても良いのでないか?』と早々に振返り用のフォーマットを作り、「来年からやりますね~」と役員・部長にアナウンスしました。笑笑
3.まとめ
実際には、経営トップの自省の機会は来年度からの取り組みになるので、その反響や効果などはこれからです。でも、早速、「お!いいかも…」と思える事がありました。
役員の一人が「経営者として何をしたのかと言われても、どう書けば良いのかちょっと分からん」と言ってきたのです。ちょうどこちらも虫の居所が悪かったタイミングだったので、「経営者として何をすべきなのかを私に聞かれても困る。ご自身で考えるべきでは?」と返答しました。
経営者としての姿勢や行動に頭を悩ませる良い機会になりそうです。
こういった経営層に対するアプローチだけで業績が回復するとは思えませんが、経営層の改革・改善は業績回復の絶対条件だと思います。
いい方向に向かいますように…
今日はここまで。