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「五七五で毎日が変わる! 俳句入門」堀本裕樹先生監修

※ネタバレを含みます。閲覧にはご注意ください。
※あくまで個人の感想・書評です。

俳句に興味をもったきっかけは、漫画

 「ほしとんで」という漫画をご存知でしょうか?
 芸大で俳句ゼミに配属された主人公とそのゼミのメンバー、現役俳人である先生との交流を描いた作品です。作者は「ガイコツ書店員本田さん」などの作品でも知られる本田先生。
 本作は俳句初心者である主人公たちが、徐々に俳句の面白さに触れていく様子が楽しく描かれています。とくに鎌倉吟行編、連句編は私が大好きな部分です。俳句の奥深さ、面白さが伝わってくる作品となっております。全5巻ですぐに読めるので、みなさんぜひ読んでみてください。


「いやいや漫画の宣伝になっとるがな」という出だしになってしまいましたが、何を隠そうこの「ほしとんで」の監修をされているのが、今回紹介したい「五七五で毎日が変わる! 俳句入門」の監修も務めていらっしゃる堀本裕樹先生なのです。
 「ほしとんで」を読了し「俳句って……いいなァ……」と思うまで時間がかからなかった私は、俳句に興味を持ち始めました。でもいかんせん、「俳句ってどう始めればいいのかわからない」のです。漫画のように先生がいてくれればいいものの、知り合いに俳句をやっているという人すらいない私は途方にくれました。そこで堀本先生が入門書も手掛けていらっしゃることを知り、まずはそれを読んでみよう、と思ったのが本書を手に取ったきっかけでした。
 結果的に、この本を読んで大正解でした。

初心者でも超・超わかりやすい構成

 本書は12章構成です。4月から始まり3月まで、ひとつずつテーマを取り上げています。
 テーマの流れは下記の通り。

・4月:五・七・五
・5月:季語
・6月:切字
・7月:省略
・8月:一物仕立て
・9月:取り合わせ
・10月:比喩
・11月:数詞
・12月:リフレイン
・1月:色
・2月:表記
・3月:挨拶句

 章の構成は、まず漫画で吟行を追体験します。(「吟行(ぎんこう)」とは、俳句を詠むための旅や散策のこと。)そのあと、登場人物たちが詠んだ句を堀本先生が添削することで、初心者が陥りやすいポイントまで解説してくれます。
 この添削が超ありがたい! 俳句って見様見真似でつくってみるものの、「これでいいのかな……?」となり、結局わからないままになってしまいがちなんですよね。でも本書では「こういうポイントをおさえて添削してみましょう」と親切に書かれているので、自分の句を見直しやすいなと思いました。

俳句って、奥深ぁ……

 もともとの俳句に関する私の知識は、「五七五で、季語が入ってる」くらいのものだったのですが、本書を読んで「俳句って五七五で自分の感じた世界を切り取るものなんだな」と感じました。カッコイイ。カッコつけました。でも本当にそう思います。内容はカッコよくても何気ない日常でも辛い気持ちでも面白そうなことでも、自分がそう感じたのであればそれが伝わるように詠む、それが俳句なのだと思います。
 そのために結構技巧的な部分もあって、推敲ありきと言いますか、感じたことの瑞々しさをいかに鮮度を保って文字に起こすかが問われていると言いますか。小説とは全く違う、刹那の文学だなと思いました。

 あと歳時記って大事なんですね。今まで「これって季語なのかな?」とわからないときに必要に迫られて歳時記を見る、というイメージだったのですが、「自分の言いたいことを表せる季語はないかな?」と歳時記を見る、という使い方が近そうな印象を受けました。

「俳句始めたいんだけど……」という方に超おすすめ!

 結果、私のように俳句に興味は持ちつつ何から始めればいいかわからない、という方の入門書としてはかなりおすすめです!
 私も読み終わり、ますます俳句を詠みたくなりました。勉強しながら、日々の中で感動したことを今後俳句にしていければと思っています。
 ご興味おありの方は、ぜひ読んでみてください。

 終わり!

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