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第5回読書会 深町秋乃詩集『柔らかい水面』を読んで

参加者: 澤井歩 外館健人 岩本吉隆
選書: 澤井歩

今回私がこの本を選書した理由は主に2つある。1つ目、普段私は日本画を制作しており最近自分の作風が決まりつつあり、その作風というのが湿気などの水に関したものだったので題名や表紙で購入した。二つ目は、新書を読む必要性を感じたためだ。今までこの読書会のみならず古い文学を好き好んで読んできた。ショウペンハウアーの『読書について』などに従ってきたつもりだったのかもしれない。ただ芸術の世界を生きるものとして古いものから学ぶ姿勢を持つ一方で評価がまだされていない真新しい作品を読む必要性を感じた。それがたとえ優れた作品だと言えなくても古いものにはない新しい価値観を得られるかもしれないと考えたため今回新書の本書を選書した。

本書は著者の20代前半から30代半ばの詩を寄せて作られた詩集である。考察としては詩の題名に「デッサン」や「スタジオにて」などがあるため著者は詩以外の他の表現方法を有する人であり詩は著者にとってドローイングに近いのではないだろうかというものだった。

作品に実験性はなく著者の好きな言葉を変遷した繰り返しの記号的な詩集であった。芸術作品には外交的な理由と内向的な理由があるが本作品は内向的な理由に分類されるだろう。この作品を芸術においての実験性として批評することはナンセンスかもしれない。

しかし自己批判というのは芸術作品において重要であり後書きに自己批評があれば作品をより理解できただろう。自己批判については次回の読書会で詳しく語るつもりだ。

英語塾を開校し、授業の傍ら、英検や受験問題の分析や学習方法を研究しています。皆さまの学習に何か役に立つ事があれば幸いです。https://highgate-school.com/