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【Vol.3 グローバル人材インタビュー】日系大手航空A社が行う「グローバル人材育成」とA社人事が語る簡単な日々の習慣とは

 グローバル人材インタビュー第3弾。シンガポール駐在時代に知り合い、今でも公私ともにお世話になっている日系大手航空A社勤務のHさんにインタビューさせて頂きました。

 Hさんは普段話をさせて頂く時でも、「あらゆる分野に造詣深く、何でも良く知っているな」と思っていましたが、やはり背景には小さな工夫がありました。

こんな人達に読んで欲しい
・大手企業の「グローバル人材育成」に興味を持っている
・異文化コミュニケーションに興味がある、もしくは苦労している
・グローバル人材とは何か?そのために何をすべきかを考えている

1.「入社10年以内に海外」を目標とする、日系大手航空A社が行う「グローバル人材育成」とは?

よし
 A社は人材育成に力を入れているように見えますが、グローバル人材育成の為に、具体的にどのような事を実施していますか?

Hさん
 日本のメンバーに対してはグローバル化の第一歩として英語力を強化する為に、語学関連オープンセミナーやオンラインカリキュラム、選抜英語研修(English Bootcamp等)の費用を一部負担しています。

 現在では新入社員は入社時にTOEIC600点、管理職昇格時にTOEIC700点を取得するよう従業員に呼びかけています。また海外実務研修の拡充や、国内及び海外のMBA留学も人材育成の一環として行っています。

 7年ほど前から「従業員は入社10年以内に海外」という社内の目標を立てたものの、達成率は未だ数%で課題は残っています。

 海外ローカルスタッフに対しても、ローカル化の方針を掲げフェアな人事制度を構築すべく、人事制度を2014年にグローバル基準に移行いたしました。日本に行って仕事をする機会も与え、これまで日本人駐在員がしていた仕事のスコープをローカルに移管し、ローカルスタッフの戦力強化に繋げるようにしています。

2.なぜ海外では、日本にいた時以上にFace to Faceのコミュニケーションが必要なのか?

よし
 Hさんが海外の仕事を通じ感じた、「異文化コミュニケーション」とは一体なんだと思いますか?そしてその能力がなぜ必要だと思いますか?

Hさん
 言葉以上に大切な「モノ」を一般的に異文化コミュニケーションと総称される事が多いと思います。

 例えばその国の文化、しきたりなどがそれにあたると思いますが、それらが理解できなければ、言語が出来ても日本と同じやり方は通用しないと思っています。日本のような以心伝心は海外では難しく、相手を理解するには親身になって聞くという傾聴の姿勢が大事だと思います。

 最初の駐在地であったバンコクでは、タイ従業員は自分の指示に対して頷きますが、それが本当に理解しているとは限らず、行動に反映しない事もしばしばありました。日本のように、メールを送るだけで理解し、動いてくれることも極めて少なく、だからこそ日本にいた時以上に数多く、そしてFace to Faceのコミュニケーションが必要だと思います。

3.グローバル人材になるために、日々できる簡単な習慣とは?

よし
 Hさん自身が「グローバル人材」になる為に具体的に取組んでいることを教えて下さい

Hさん
 グローバル人材の方々は仕事だけではなく、様々な事に対し造詣深く、新しい事に興味を持つ人がとても多いと思います。ですので、私も食文化、歴史、世代ごとの流行などのいわゆるリベラルアーツを学んだり、常に異なる分野や新しい事にアンテナを張るようにしています。

 日々の日常の中で心がけているのは、どんな些細な事でも良いので「1日1つは新しい事をする」ことです。例えば職場から自宅への帰り道をいつもと変更したり、食事もいつもと違ったものをオーダーしてみるなど、小さな事でも良いので自分自身で変化を与え続け、そこから新しい何かを学びとるようにしています。

4.ズバリ、グローバル人材とはどのような人材を指すか?

よし
 海外駐在経験を経て、Hさんにとってどのような人物が「グローバル人材」と言えますか?

Hさん
 弊社は既にグローバルに向けてWAYを作成しているので、A社の WAYを自らが体現できることが「グローバル人材」であると言えるかもしれません。そして、そのWAYを外国人に対しても的確に伝え、違いがあっても臆せず、その違いを理解し、適切に接することが出来る人だと思います。

Hさん経歴
1992年日系大手航空A社入社後、国内業務に従事。2012年4月、42歳でバンコク支店に異動となり3年間勤務。その後2015年4月よりシンガポールに異動となり、アジア・オセアニア地域の総務・人事統括となり、2018年8月に日本へ帰任。現在に至る。

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