滋賀県HPのリニューアル問題

▼滋賀県のHPリニューアルがめちゃくちゃな問題について、6/1に朝日新聞から「1,000万円もかけたのに・・・」という記事が出ていましたが、タイトルがキャッチーなだけであまり本質でないものでした。というかミスリード。

 
1,000万円という金額、確かに高く感じますが、県庁などの大規模な(かつ重要性の高い)HP改修であれば、「あまりに安すぎる…」というのが実際です。
 
費用を最低でも5倍はかけて、かつ期間としても、どんな条件で作るのか、実際の運用はどうなっているのかなど、調査だけでもしっかり時間をかけてやるべきところを、半年で全部リニューアルしてしまっている。
 
家のリフォームで例えるなら、期間は1か月、費用は200万円くらいで古民家改修しました!という感じ。
まともなものができると思う方が不自然です。
むしろ費用の積み方としては、ちょっと屋根とか壁面をやりかえます、くらいのものです。
 
となると、そもそも全面リニューアルをするための予算だったのかどうかも怪しくなってきます。
(その辺の情報が見れなかったり、オープンになっていないのが恐ろしい。クリアにされるべき)
 
 
▼6月に入ってから議員の方が質問されたことをきっかけに、謝罪が(ようやく)HPに掲載されたりはしていますが、対応策として挙げられているものは適切とはいえません。
 
というのも、今回のリニューアルに際して出ている課題(ものすごいたくさんあるんですが)、
①情報の構造が変わっている
②サイト内のURLが変わっている
この2つはとりあえずヤバいです。
 
①情報の構造が変わっている
については、そもそも以前あった「課ごとの分類」から、
ざっくり分けられた「分野」ごとになっていて、かつ一覧で表示されないので情報が見つけづらい。
※ちょっと文字で表現しきれず申しわけないですが、試しに一度サイトを訪問されて、関心ごとを検索してみてください。
 
②サイト内のURLが変わっている
というのは、ほぼ全てのページのURLが変わっているということです。
何がまずいかというと、県庁(のみならずそこと関係のある団体なども)関連の「紙媒体」に印刷されているURLとかQRコードが全部無効になっているということです。
「詳しくはこちらのURLを~」みたいなアレが、全部無効です。つまり刷り直しが必要です。
 
会見では「職員でチーム組んで6月中になんとかします」というコメントが出ていましたが、人海戦術でなんとかするには膨大過ぎるページ量ですし、そもそもの構造的欠陥を抱えている状態をなんとかするのが先じゃないかと思ってしまいます。
 
 
というか元のサイトに戻すのが、一番傷が浅い。
 
 
▼つらつら書いてきましたが、ただ批判がしたいわけではないです。(状況を整理すると、あまりにも全てが残念だっただけです)
 
ちょっと冷静に考えてみると、いま対策にあたられている方々(存じ上げませんが)、とくに上の世代の方々がが入庁されたころには想像できなかったような技術の進歩が、今日まで続いてきているわけで。
 
たとえば将来、SFの世界に出てくるような、バーチャルだったり宇宙空間だったりの建物の設計とか運用を自分がハンコ渡されて進めていかないといけないようなもので、正直ぞっとします。
 
そういう時は、専門家にしっかりと(わかるまで)話を聞いて、そのうえで議論をしてやっていくのがスジじゃないでしょうか。
 
 
▼滋賀県には「琵琶湖のせっけん運動」とか「八幡堀の再生」とか、これからの持続可能性を考えるうえで重要なストーリーがあって、地元民として誇りに思っています。
 
詳細はそれぞれgoogle先生にお任せしたいですが、よく美談として語られる両方に共通するのは「いっぺんやらかしている」ということです。
 
琵琶湖は一度、合成洗剤で富栄養化されて赤潮発生してますし、八幡堀にいたっては一度埋め立てを決めてます。
要はそこから市民や有志の運動で、どう立て直したかというのが、大事なところなんだと思ってます。
 
するならちゃんとごめんなさいして、ちゃんと前向きに対策考えていくのがほんと大事。
 
 
▼ちょっと脱線してきましたが、雑にまとめると
 
今までのプロセスを開示して、
とりあえずサイトは元に戻して、
専門家にしっかりと意見聞きながら、
ちゃんと県民の声拾いながら、
わからんこと多いなら専門家チームに入れて、
どうしようか話し合っていったら
いいんじゃないでしょうか。
 
今回のHPリニューアルがきっかけで、オープンに議論する土壌、前向きに協働していく風土が生まれていくといいなと思いますし、自分もそのためのアクションをとっていきたい。
 
そういうプロジェクトだと思うなら、1,000万円というのは費用対効果そんなに悪くないですね。

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