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366. そもそもG7サミットとLGBTは関係ないんじゃないですか?

関係はあります。

本日(2023年3月16日)、東京新聞が次の記事を発表しました:

G7議長国へ各国のいら立ちが形に…LGBTQの差別禁止に動きが鈍い日本と岸田首相 駐日大使の連名書簡
日本を除く先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)の駐日大使が連名で、性的少数者(LGBTQ)の権利を守る法整備を促す岸田文雄首相宛ての書簡を取りまとめた。内容からは、人権という民主主義国の共通の価値観を前に、重い腰を上げない日本政府へのいら立ちが読み取れる。日本は5月のG7広島サミットで、議長国として多様性の尊重を世界に発信する旗振り役を務める立場にあるが、各国から厳しい目が注がれている。

東京新聞ウェブ版 2023年3月16日

この記事の中では、昨年(2022年)6月にドイツで開催されたG7サミットで、「LGBTQを含め『全ての人が差別や暴力から守られるべきだ』との最終成果文書に日本も署名」したとあります。

岸田首相は昨年の6月にLGBTQの差別はいけないと他のG6の国と約束をしたわけです。

実はそれだけではありません。

みなさんは2021年にイギリスでG7が行われたのを覚えていらっしゃるでしょうか。

その時に参加したのは当時の菅首相でした。

そしてその時のG7サミットでは「より良い回復のためのグローバルな行動に向けた我々の共通のアジェンダ」とするコミュニケ(共同声明)が採択されました。

その中にも次の言葉があります(「ジェンダー平等」に関する箇所):

ジェンダー平等は他の特性 と交差する部分があり、あらゆる形態の人種差別やLGBTQI+の人々に対する暴力及 び差別に対処することを含め、我々の行動はこれらの交差性を意義ある形で考慮する必要 がある。

G7首脳コミュニケ(令和3年)より

つまり、日本は2年前からG7サミットで「宿題」を出されていたのです。

これまでは「参加するだけ」でしたが、今年(2023年)は議長国です。

その日本が「宿題はやっていません」とは言えない。だから政府は慌てているわけです。

「よそはよそ、うちはうち」でいいじゃないか!なぜ欧米に追従しなければならないんだ!日本の事情があるんだからLGBTなんか関係ない!

そういう声がSNS 上にありますが、そうではないのです。

もう「やります」と「約束してしまったこと」なのです。だから「関係ない」では済まされない話なのです。


参考資料

外務省 令和3年 G7ガービスベイ首脳コミュニケ(和訳)

画像:UnsplashEvangeline Shawが撮影した写真