345. 5歳くらいの男の子がお人形遊びが好きだったり、いわゆる「かわいい」ものが好きだったり、女の子のようにスカートを身に付けたいと言ったりする場合、この子はトランスジェンダーなんですか?
いいえ、それだけでその子がトランスジェンダーだとは言えません。
人形遊び・かわいいもの・スカートなどはその男の子の「好み」の問題です。
その「好み」は変わる可能性がありますね。
年長になるにつれて野球やサッカーに興味を持ったり、ヒーローもののアニメが好きになったりするかもしれません。
このように、「好み」は変わるものです。
一方、小さい頃からこのように女の子が好きそうなものに興味があって、そして「自分は女の子だ」と言うようになったら、性自認に揺れが見られると考えていいかもしれません。
しかし、性自認に揺れが見られるからといって、その子が「トランスジェンダー」だと周りが決めつけることもまたできないのです。
以前にクエスチョニングの記事を書きました。
LGBTQの「Q」に当たるのがクエスチョニングです。
クエスチョニングの方の中には、自身の性自認が定まっていない、自分の性的指向がわからないという方がいらっしゃいます。
5歳の男の子でも自分の性自認をはっきり意識している場合もあるでしょうし、そうでない可能性もあります。
女の子が好きそうなものに興味がある男の子がいても別に不思議ではありません。
「女の子が好きそうなものに興味がある男の子 = トランスジェンダーの子」ではありません。
一方、性自認は男だと思っているけれども、性愛の対象が同性や男女両方に向かっているということもあるでしょう。
これは性的指向の話になりますが、ゲイの方に子どもの頃の話を聞くと、「かわいいものが好きだった」という方もいらっしゃいます。
またレズビアンの方でも、「男の子と一緒に遊ぶのが好きだった」「ままごとなんて大嫌いだった」という方もいらっしゃいます。
まとめ:生まれた時に戸籍に「男」と登録された子どもでも女の子が好みそうなものに興味がある子どもがいます。女の子だけれども男の子が好みそうなものに興味がある子どももいます。しかし、それだけを見て、その子どもがトランスジェンダーだということはできません。トランスジェンダーはその子どもが自分で自分の性をどう捉えているか・感じているかで決まるものです。
画像:Unsplashのnote thanunが撮影した写真