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427. ジェンダーノンコンフォーミング (gender non-conforming)って何ですか?ノンバイナリーのことですか?だとしたら、なぜノンバイナリーと言わずに「ジェンダーノンコンフォーミング」と言うんですか?

「ジェンダーノンコンフォーミング」と「ノンバイナリー」は関連していますが、違う概念です。以下、まとめてみます。

ジェンダーノンコンフォーミング (Gender Non-Conforming: GNC)

  • ジェンダーノンコンフォーミングは、伝統的な男性や女性のジェンダーロールや表現に合致しない、または社会的・文化的に女性なら女性、男性なら男性は「こうあるべき」という期待を超えたり交差したりする人々を指します。

  • GNCは性的自認やジェンダーアイデンティティには必ずしも言及していないことが特徴です。例えば、自分自身を男性と認識している人でも、伝統的な「男性らしさ」に合致しない服装や表現を選ぶことができます。マツコ・デラックスさんは性自認は男性ですが、女性の服装(女性が着るであろう服装)をなさっていますね。

ノンバイナリー (Non-Binary)

  • ノンバイナリーは、伝統的な男性/女性の二元的なジェンダーの枠組みに収まらないジェンダーのアイデンティティを持つ人々を指します。

  • ノンバイナリーはジェンダーアイデンティティに関する概念であり、自らの性自認が男性でも女性でもない、またはその両方、もしくはその中間であることを示しています。

つまり、ジェンダーノンコンフォーミングは、ジェンダーの表現や役割に関するものであり、ノンバイナリーはジェンダーのアイデンティティに関するものです。

「なぜノンバイナリーと言わずに『ジェンダーノンコンフォーミング』と言うのか?」という質問に対しては、その人が自らのジェンダーの表現や役割について話している場合や、特定のジェンダーアイデンティティを名乗ることなく(その社会や文化の)ジェンダーのこれまでの在り方から外れることを強調したい場合に、「ジェンダーノンコンフォーミング」という言葉を使う場合が多いとされています。

では、私からみなさんに質問です。

日本で男性がスカートを履いたり、髪を長く伸ばしたり、お化粧をしたりするのもジェンダーノンコンフォーミングになると思いますか?

逆に日本で女性がスーツ(日本のビジネスマンの服装)を着てネクタイをするのはジェンダーノンコンフォーミングでしょうか?

答えは「(概ね)はい」です。

ある地域・文化、例えば日本を例に取りましょう。伝統的なジェンダーロールや文化的な期待に基づくと、日本では男性がスカートを履いたり、髪を長く伸ばしたり、お化粧をしたりするのは、ジェンダーノンコンフォーミングと見なすことができます。(もちろん、そういう規範に縛られない人がいることもあります)

同様に、女性がスーツを着てネクタイをすることも、伝統的なジェンダーロールや文化的な期待から外れると見なされる場合があるため、ジェンダーノンコンフォーミングと言えるでしょう。

ただし、広く世界を見渡してみると、文化や地域、そして時代によって、ジェンダーに関する(文化的・社会的)期待やロールは変わってきましたし、今後も変わりうる可能性があります。

例えば、一部の文化や地域では、男性がスカートに似た衣装を着ることが一般的であるため、ジェンダーノンコンフォーミングとは見なされません。(例:フィジーの男性の正装は下はズボンではなく巻きスカートです。)

また、ビジネスの現場やフォーマルな場で女性がスーツやネクタイを着用するのは一般的であり、これもジェンダーノンコンフォーミングとは必ずしも見なされないこともあります。

従って、「ジェンダーノンコンフォーミング」の定義や範囲は、文化や地域、時代の文脈によって異なる場合があります。


参考資料

画像:National Gallery of Art, William Matthew Prior, Child with Straw Hat, c. 1846/1873
Gift of Edgar William and Bernice Chrysler Garbisch