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精神障がい福祉の世界で未だに理解出来ない10の事。②就労意欲の確認。

これは以前よりだいぶお話させていただいてる事だったりします。

「何故働きたいんですか?その目的を聴かせてください。」

うちの施設に来て、僕のカウンセリングの中で
就労意欲のようなものが語られる事は本当に多い。

【就労意欲のようなもの】なんです。

この質問に対して、精神疾患や障がいを長年持ちながら、
真っ直ぐに答えられる人は意外と少ない。

「生きていく為には仕方ないからです。」

その回答が5割でしょうか・・・

「この年齢だから・・・」

と自身の年齢的なものから常識にあてはめて・・・が3割。

「働かざる者食うべからず!今の自分が情けなくて・・・」
とか
「働いていない自分は社会の役立たずだと思う。」

など自身の考え方による焦燥感を語る方が2割・・・。

生活の事や年齢的な事を理由に就労意欲を語る方が8割。
その他は2割でわかりやすいかもしれませんが、
全てしっかりと聴き取りを行う必要性があると僕は思っています。

が、

福祉の現場での就労意欲の確認と言うものは
本当に簡潔であり、意思決定支援と言う名の下、
「本人の意思だ!」で通している節があるように感じます。

つまり、

言ったが最後。
支援はその方向に進んでいく。

無論、それしか信じる要素が無いから信じるべきは発言!
なんだと思いますが、それであれば、
聴き取りの力をもっと上げるべきだと僕は思う。

精神障がい福祉の世界で未だに理解出来ない10の事。

②就労意欲の確認。


就労意欲があります。

その上で福祉の方々の聴き取りというのは

以前、働いた事があるか?それがどれぐらい前の話か?
退職理由や持病のお話。お医者さんの見解、自身の所感。
希望職種などを聴いていくのが一般的です。
(下手すると全くそう言うのを聴かず動くところもあるんですが・・・)

そして、支援としては段階的に分かれていきます。

本人の様子や言動から・・・

即時就労へ移れる人であれば、
就労移行(障害などのある人向けの職業訓練所)などで、とりあえず・・・
と誘導される事もありますし・・・
ハローワークを勧められ、即就労への促しを受ける場合もあります。

が、それはそれぞれ相談窓口の判断になります。

福祉寄りであれば、福祉に関わるものに導かれやすいですし、
行政寄りであれば、サラッと即就労の話なんかも出てきます。

出てきたので、
就労移行というものについて説明すると、

社会と言う場所に挑む前に、必要スキルを身に着ける事が目的とされ、
挨拶の仕方、名刺交換、ワードエクセル、仕分け、電話対応、
グループワークや軽作業、また職業体験・・・
様々な就職の際の不安を埋めるプログラムが用意され、

何も出来ない・・・どうしたらこの不安が払拭出来るのか・・・
これに一種の武器や答えを得られる場になります。

面接支援もあったり、職業紹介もあったりしますので、
就労意欲のある人にはとても素晴らしいキッカケになりますね。

就労意欲の無い人には、それでも働ける様子、また若さがあれば、
生活訓練(就労移行の手前のリハビリの場)と
日中の活動の場(地域活動支援センターやデイケアなど)
が案内される事が多いです。

さて、今回は別段それぞれの案内先がどうであるか・・・
というのは書きません・・・。
健常者が障がい者に、障がい者が健常にの場の5つの秘密①ルールをゼロに
軽く、以前はこんな感じで記事にもしていますw

僕は大切なのは聴き取りだと思っています。

支援の方針が決まれば、何処かの施設に通ってみて、
そこで得られるものを得る・・・という流れに乗せられて・・・
半年や1年、2年と言う時間が経過してしまいます。

それを考えれば、聴き取りはより本音をあぶり出すものであるべきですし、
聴き取りに聴き取りを重ね、カウンセラー目線で言えば、
来談者との関係性の構築なんかもかなりスピーディーに
行われるべきだろうと思っています。無論、全て同時進行です。

社会に属するべきだ!


そう語る方に理由をしっかり聴くと、子供の頃の親の教えや、
何処かで学んだ常識みたいなもので縛られている様子が見えたりします。
そういう方に聴き取りの甘いまま、社会に属したがってる様子から
就労なりに移行していくとどうなるか・・・?

結局、心から望んでいる訳ではない・・・。

ストレスを無駄に抱え、苦しみの中で
安月給に周りと比べたりもするかもしれません・・・。

普段からの心の整理の仕方も問われるような日々が
就労後に待ってる訳です。

これは健常、障がい関係の無い話でもありますよね。

それも含め想定し、相談を受ける側は聴き取っているのか?

甚だ疑問なんです。それが離職率の高さに出ているとさえ思っています。
国はここに定着支援という付焼刃を設けましたが、
聴き取りの能力が低い支援員が、定着支援で聴き取りをしたところで
同じことの繰り返しです。

働きたくない!


って方には
働かないベストをしっかりと見つけさせる聴き取りが必要です。

働かないベストって何かと言えば、
生保取らせて「良かったねー!」じゃないんですよ。

精神面の問題、人間関係上の歪み、日々の悩み・・・
諸々とは向き合う必要性がある事実を
しっかりつかんでもらう事なんですよ。

孤独・・・
生き甲斐もない・・・
楽しみもない中でただ生かされる自分・・・

想像してみてください。

そういうしっかりとした寄り添い、聴き取っていく力が
就労意欲の確認の際に必要である事を
しっかり理解しておくべきだと僕は思っています。

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