グテーレス、環境のため高騰するガス料金への我慢を要請
地球温暖化問題は1988年を境に、世界の動きが寒冷化から温暖化に方向転換しました。UNEPとWMOによってIPCCCが創設されましたが、そのIPCCが、2009年には Climategateなるスキャンダルを起こし信頼を失いました。
個人的に、温暖化やパリ協定で云う「脱炭素」には嘘が多いという理由で、反対の立場を取っています。
近代的社会主義の思想の最も始まりの頃、サン・シモンやロバート・オウエンなどの思想として、「空想的社会主義」や「ユートピア社会主義」がありました。そういう社会主義思想との類似性から、最近、一連の動きを「空想的環境主義」と呼ぶようにしています。東大の有馬教授は「環境原理主義」という言葉を使われていますが...
さて、グテーレス国連事務総長の最近の発言です。国連では、気候変動やSDGsなどのユートピア的な目標を掲げて、世界を動かそうとしています。 グテーレス発言の中に危うさを感じてしまいます。
グテーレス事務総長は1日、国連で演説し、世界の指導者に次のように呼びかけた。「IPCCの予測モデルは、我々が差し迫った気候変動という危険に直面していることを警告している。市民の生活費を軽減するという短期的な経済的利益のために、石炭や天然ガスの新規輸入を受け入れ、環境に対する配慮を損なってはならない」。
また、世界の主要先進国の代表が参加した国連経済持続性サミットで、「各国は、目先の化石燃料の供給不足にとらわれ、化石燃料の使用を削減するための政策を怠ったり、怠ったりしかねない」と事前に収録した演説で述べている。
先月のロシアのウクライナ侵攻により、東欧の供給ラインが寸断され、NATO主導の制裁で、ロシアの化石燃料の輸出が世界から奪われ、化石燃料業界全体に衝撃が走っている。
一方、世界経済はロシアの化石燃料の代替品を探すために奔走し、ウクライナ侵攻の衝撃とグローバル・エコノミーに制裁を加えることの影響の大きさについての議論が進んでいない。こんな中、グテーレスは「各国に対して、二酸化炭素排出量の削減と化石燃料からの移行を優先させるよう」求めた。
主要経済国が、ロシアの化石燃料に代わるあらゆる戦略を追求する中、グテーレスは、「短期的な対策は長期的な化石燃料への依存を生み、1.5度への窓を閉ざすかもしれない」と述べた。
2017年の就任以来、グテーレスは、共産主義中国によるウイグル人の迫害やミャンマーにおけるロヒンギャの民族浄化に対する沈黙のために批判にさらされてきた。こうした批判からイメージ回復を図るためか、ポルトガル出身の社会主義者は、気候政策を政権の最重要課題とし、2015年のパリ気候協定で定められた目標の達成を各国にたびたび促している。
また、グテーレスは、国際協力の重要性を強調し、各国が国際会議の場で仲間に責任を転嫁することを思いとどまらせた。
「地球が燃えている間、私たちは指をくわえて見ているわけにはいかない」とグテーレスは語った。
事務総長の発言は、国際機関において、たとえ個人的あるいは経済的に相当な犠牲を払ってでも、地球のために国や個人が炭素排出を抑制しなければならないと主張する声が高まっていることと矛盾しない。先週、国際エネルギー機関(IEA)が発表した「石油使用削減のための10ヶ条」では、燃料消費を削減するための一連の制限と犠牲が規定されている。
10ポイントプランでは、時速10km以上の速度制限、週1日の自家用車の使用禁止、奇数・偶数ナンバーの車の日替わりでの通行禁止などが規定されている。
しかし、こうしたテクノクラート的な政策に批判的な人たちにとって、こうした政府による排出抑制策は、中央集権的な政府のCOVID-19のロックダウンで起こったように、一般庶民に金銭的、利便的なコストを強いる過重な負担となるものである。
それでも、IEAやグテーレス首相など世界のリーダーたちは、「排出量の抑制こそが持続可能な環境政策の鍵である」として、こうした対策を推し進め続けている。
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