「最悪の予感」
こんにちは、よさそう®です。
新型コロナウイルスは12月に入ってオミクロン株がじわじわと広がっていきそうで、いつになったら落ち着くのかと思う日々ですね。
そんななか読んだ本「最悪の予感」をご紹介します。
あらすじ
「マネーボール」、「世紀の空売り」、「フラッシュ・ボーイズ」などの著者 マイケル・ルイス氏による新型コロナウイルスに対するアメリカの医療分野における対応実態が綴られている作品です。
物語は新型コロナウイルスとはまったく関係ない、とある少女の科学賞の題材研究から始まります。父親が公共機関の研究職で、娘の研究を支えるうちに、もしインフルエンザが大流行したときの感染拡大モデルを作っていきます。唐突にこのストーリーが終わったあと、今度はカリフォルニア州の保健衛生官の話に移ります。こちらも新型コロナウイルスとは別の病気との戦いから始まります。
その後、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代に彼が側近から勧められたスペイン風邪の流行を記した本に影響を受け、ホワイトハウス内に感染症が流行した場合の対策を検討するチームを立ち上げます。
と、ここまで書くと、どうやって2020年の新型コロナウイルスにつながっていくのか?と疑問に思いますよね。
これがつながっていくのです。
まったく関係のないストーリーや人々が、新型コロナウイルスの蔓延に際し、関係が生まれ、2020年のアメリカでの対応につながっていきます。
さらにはCDCの対応が後手になってしまった原因を半世紀近く前にさかのぼって展開されていきます。
事実からストーリーを紡ぎ出すマイケル・ルイス氏の筆力の凄まじさ、怒涛の後半の展開は、ぜひご自身で読まれることをお勧めします。
Impressed Phrases
この本、さまざまな驚きに満ちています。「え、アメリカってそうなの?」と思うことがたくさんありました。私が驚き唸ったことを引用を交えてご紹介します。
CDCってそういうところなの?
コロナが流行し始めた2020年のはじめごろ、テレビのニュース番組に出ていた日本の専門家なる人たちやコメンテーターは、やたらと「日本にもアメリカのCDCのような機関があれば」といったことを言っていたと記憶しています。
ですが、この本を読むとCDCって日本人が思うほど機能していないようなのです。
たとえばこんな記述がありました。
だから日本にCDCを作っても、厚生労働省と変わらないから、意味がなく、単に天下り先が増えるだけになりそうです。
政権が変わるとすべての記録がなくなる
アメリカは新しい大統領が就任すると、政権スタッフが大幅に変わるというのは聞いていました。だけど、記録までもなくなるとは思いもよりませんでした。
目の前で自分のパソコンからハードディスクを引っこ抜かれる状況をそうぞうするだけで驚きですよね。それも突然やってくるし、当然機密情報だからプライベートPCには持っていけないでしょう。それまでに数年に渡って積み上げた知識がいきなりなくなってしまう。知識の継承がないという事実は衝撃を受けました。
これを知るまで、日本の官僚組織は政権が変わっても影響を受けないからよくないと思っていました。確かに悪いところもあるけれど、少なくとも政権が変わっても知識が継承されているだけ、ましなのかなあと思います。
その一方で新陳代謝のない日本の官僚組織にも問題はありますよね。
だから、アメリカと日本の両方のいいところをミックスできたらいいのかも
しれませんね。
むすび
ということで今回は「最悪の予感」をご紹介しました。
まだまだ予断できないコロナウイルスですが、来し方行く末を考え、他国のコロナ対策の実態を知られるので年末年始のお供にどうぞ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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