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パンみみ日記「あなたは向こう6年、何しても上手くいく」

好きなnoterさんたちに憧れて、日記を始めました。いつもは明確に書きたいことが浮かばないと文章にできない。それなりに中身がないと投稿できない。

けれど、日々のできごとをかき集めたのなら。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。名付けて「パンみみ日記」。

転職&引越でバタバタしていたので、めちゃ前の話です(笑)


11月11日(金)
転職の面接で、東京に行くことになった。せっかくなので、東京に住む大学の友人に会うことに。ミネくんという親友。ミネくんがあと2人誘って、4人で会うことに。

ミネくんは冗談が好きだ。彼はぼくが北海道から遊びに来ることを、あとの2人に内緒にしたいと言い出した。サプライズで登場してほしいと。

そこまではよかった。

ミネくんと電話をしたとき、彼は嬉々としてこう言った。

「楽しみだな。今度会う2人に、『山崎賢人みたいな人がゲストとして来るから楽しみにしといて』って言ってあるんだよね」

どんなハードルの上げ方だよ。

ぼくは山崎賢人として行かなければいけないらしい。転生するしかない。


11月13日(日)
カフェでパソコンを叩いていた。少し休憩して、画面を立ち上げる。

ロック画面は顔認証で開くようになっている。読み込み中は、目のアイコンが表示されるのだ。

たまたまロック画面の背景がトキの画像だった。するとトキの顔に、目のアイコンが綺麗にフィットしていた。

今年最大のジャストフィットに、1人で笑いを堪える。誰かに言いたくてしょうがなかった。

本当しょうもない



11月23日(水)
祝日。神社でよさこいのイベントがあり、チームで出場。

ぼくは転職でこのチームを離れる予定だったので、最後の出場イベントだった。

ぼくにとって、いつも「最後」は実感が湧かない。引退試合や、卒業式、異動。心が悲しみという実態をつかまえる前に、気がついたらイベントが終わっている。そしてしばらく経ったあとに、「あんな機会はもうないんだ」という波が押し寄せてくる。

今回もそうだ。寂しくて、悲しくて、もう少し何かを引き延ばしたい感情に襲われるはずが、そんなことはない。そんな自分がひどく退屈な人間だとも思ってしまう。けれど、寂しいと感じるのが怖いのかもしれない。

最後のイベントだということもあり、よさこいの配置ではセンターしてもらった。卒業公演か。

スケジュールの都合で、出場はできなかったメンバーも観客として見に来てくれた。しかも「こっち向いて!」という手づくりウチワを手に。

初めてファンサした。今後人生で起こらないであろう、アイドル擬似体験をさせてもらった。アイドルって楽しんだろうな。キッザニア的な施設で職業「アイドル」ってないのかな。

イベント後は、神社の方にお礼をいただいた。その中に絵馬があったので、みんなで書いてくくりつける。

「もっと踊りが上手くなりますように」
「メンバー全員が健康でありますように」
「楽しく踊る姿が誰かの心に届きますように」

社会人になっても、好きなことや願いを共有できる人たちが隣にいるのが嬉しい。ずっとこんな風に、いられればいいのにね。

好きな人と好きなことが、これからもできますように。

11月26日(土)
ランチにそば屋へ。「おつまみプラス1品」がサイドメニューにあったので、食券を買う。これはエビチリやからあげなど、5品から好きな1品を追加できるのだ。

注文口にいたおばちゃんに食券を手渡す。「豚タン塩焼き」にしよう。ん?ちょっと待って。「豚タン」って“とんたん”?“ぶたたん”?どっちだ。どっちにも読む気がするぞ。

戸惑いながらも、直感を信じる。「すみません、“とんたん”でお願いします」

おばちゃんが「あいよー!」と元気よく厨房の方へ動いていく。そしてキッチンの人へこう言った。「“ぶたたん”1丁〜!」

“ぶたたん”だったか〜。やっちまったああ。地味に恥ずかしいよお。

すごすごと着席し、そばと豚タンを待つ。しばらくすると、おばちゃんが配膳に来た。

「ざるそばと、”とんたん“塩焼きですね〜!お待ちどうさまでした〜!」

おばちゃん…?さっき厨房で”ぶたたん“って言ってたよね?もしかして、ぼくが”とんたん“って注文したから、恥ずかしくないように合わせてくれたの?

…そんな訳ないか。考えすぎか。だけど、もしそうだとしたらすごいホスピタリティだ。接客マニュアルにあるのか。「お客様が”豚タン“を頼んだとき、配膳時にはお客様の読み方に合わせましょう」。そんな訳ない。おばちゃんの心意気だ。

この店、通おう。

11月28日(月)
会社。休憩スペースで、ノミコ(飲み好きな後輩)がごはんを食べていた。なんだか嬉しそうな顔をしていたので、声をかける。

「よさくさん、聞いてください。営業先に行ったら、先方社員のおばちゃんに話しかけられて。『あんたの将来占ってあげる』って言われたんですよ」

「初めましての人だよね?新しいコミュニケーションの形すぎない?」

「マヤ暦の占いしてくれて。私、向こう6年何しても上手くいくらしいです」

絶好調すぎるだろ。そういうの大体、上手くいくの「今年の下半期」ぐらいだろ。複数年のスパン聞いたことないわ。

ノミコは不思議な人に絡まれることが多い。コナン君いるところに事件ありだが、ノミコいるところに謎人物ありなのだ。

ノミコはその後も、マヤ暦占いについて真剣に調べていた。ぼくも占ってほしい。向こう6年、何しても上手くいきたい。

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