見出し画像

YOSAKOI SORAN NEWS_Vol.7


第33回YOSAKOIソーラン祭りチーム募集開始

2024年・第33回本祭の参加チーム募集が12月から始まりました。コロナ禍を経て祭りが再開した2022年。そして、新しい祭りの在り方を模索して歩みだした2023年。2024年は、その歩みをさらに進め、「人と地域に感動と元気を届ける」YOSAKOIソーラン祭りの理念を追求していきます!

参加者一人一人が祭りを「つくる」

 第33回から、祭りの参加費制度が変わります。これまでは「チーム」を一つの参加単位として、チーム規模によらず一律のチーム参加費を設定してきました(例:北海道内一般チーム 15万円)。これは、”どんなチームにも同じ機会と舞台を提供している”から。人数が多くても少なくても、同じひとつの「チーム」として扱っています。そんな現在の参加費制度がはじまって20年以上。祭り自身も、参加チームも、その在り方や取り巻く環境が変化してきました。
 参加費は、”祭りへの参加の在り方”の表現。チームの皆さんとも議論を重ねながら、2024年より制度を刷新することを決定しました。
 新制度は、「チーム参加費」(例:北海道内一般チーム 5万円)と、参加する一人一人の「運営協力費」(大人2000円、高校生以下無料)で構成。祭りに参加する一人一人が、この祭りをつくります。
 また、これにより、50人未満のチームはこれまでよりも総負担額が安くなります。これまで地域で長く続けてきたチームや、これから新しく祭りに参加するチームも参加しやすいかたちになりました。

地域の一員としての取り組み

 前回から大きなテーマに掲げている「地域貢献」は、引き続きその取り組みを強化していきます。
 前回祭りの審査に取り入れた「地域貢献点」。祭りの象徴といえるYOSAKOIソーラン大賞は、踊りのすばらしさだけでなく、日ごろの活動においても地域に愛されて応援されるチームであってほしい。その想いを、参加チームのみなさんにも引き続き発信していきます。
 また、SDGsの取り組みも積極的に行っていきます。前回創設した「SDGsパートナー」のように、賛同いただける企業や団体の皆様と協働して課題解決に取り組んでいきます。

多様なスタイルで、もっと楽しく

 コロナ禍でのオンラインの普及から始まった「映像参加」の取り組みは、新しい祭りの楽しみ方として定着。前回はアメリカやドイツ、フランス、タイなど海外からも8チームが参加しました。映像ならではの魅せ方でチームの魅力を発信できる企画として、幅広い地域・世代が参加します。
 このほかにも、より多くの方に楽しんでいただける祭りの企画を多数予定!詳しい開催概要は4月に発表いたします。どうぞお楽しみに!

第33回YOSAKOIソーラン祭り開催概要

【日程】2024年6月5日(水)~9日(日)
【主催】札幌市・札幌観光協会・札幌商工会議所・YOSAKOIソーラン祭り組織委員会
【主管】YOSAKOIソーラン祭り実行委員会
【会場】大通公園をはじめとする札幌市内各会場
《参加チーム受付》公式ホームページより
2023年12月3日(日)~2024年2月29日(木)


【再発見👀】みんなでつくる、みんなの祭り

先日、YOSAKOIソーラン演舞の商業利用に関するロイヤリティ制度について公式ホームページ等で発表しました。「なぜこういった制度が必要なのか?」そんなご質問もいただいています。YOSAKOIソーラン祭りは、関わる人みんなでつくる「みんなの祭り」。改めて、この祭りの成り立ちについてご紹介します。

 YOSAKOIソーラン祭りをつくるのは、この祭りに関わるすべての人。1992年に学生たちによって始まったこの祭りは、市民でつくる市民の祭りとして運営してきました。イベントというと「主催者」「来場者」の二者をイメージしますが、YOSAKOIソーラン祭りは、「参加者」も祭りをつくる一人です。

参加者とともに祭りをつくる

 祭りの魅力は踊り子のエネルギッシュな演舞。参加者がいなくてはこの祭りは成立しません。そして、踊り・参加費で祭りを支えるだけでなく、何より特徴的なのが、積極的に祭りづくりに参加していること。エリアごとのチーム代表者を集めた会議(年6回)や年1回の「参加者フォーラム」(参加チームの交流・研修の会)などを通し、祭りがどうすればもっと成長するのか、参加者には何ができるのか議論しています。30年間ともに祭りをつくってきた、“自分たちの祭り”という想いをもった仲間です。

祭りを支える会場・協賛社

 各会場も“自分たちの祭り”という想いでともに地域を盛り上げます。YOSAKOIソーラン祭りの会場は、費用やスタッフの手配なども含めすべて「自主運営」で開催。会場ごとに連合町内会や商店街、地元の有志などが実行委員会を設け、地域に密着した運営をしています。
 また、企業も祭りを支え、ともに盛り上げる心強い仲間。祭りの開催費用の多くが協賛金に支えられています。

 参加者や祭りを応援する人ともに、観覧席のチケットやDVD・グッズを購入するなど、この「YOSAKOIソーラン」という祭り・文化を楽しむ人も、祭りをつくる一員です。

楽しむ人が少しずつ応援し、
安定して続いていく祭りづくりを目指す

 現在、YOSAKOIソーラン祭りは「6月の5日間のイベント」としてだけでなく、北海道の地域・文化活動として年間を通した広がりが定着しています。地域の祭りだけでなく、商業的なイベントでの利用も多く、そういった事業を実施する事業者の方にも少しずつ祭りを応援していただきたい、というのが今回のロイヤリティ制度です。この30年間で、社会の在り方も大きく変わってきました。YOSAKOIソーラン祭りがこの先さらに30年、50年と安定して続いていくための新しい仕組みをつくっていきたいと考えています。


チームインタビュー:
祭りで得る知識と経験、驚きと感動を地元・十勝へ(Excla!matioN)

チームの立ち上げ

―チーム結成のきっかけを教えてください。

 当時農家の青年団に所属していて、毎年夏にイベントをやっていたんだけど、自分たちだけで集まっても面白みがないなと思って、市の紹介で地域の若い人たちが集まる団体と一緒にイベントをやったことがきっかけ。「せっかくだから一緒に何かやろうよ」と。ちょうどYOSAKOIソーランがブームというか、第6回くらいのころ。そのうちの一人が「YOSAKOIやろうよ」って話をもってきた。もともと本祭に出よう、だけでなく「YOSAKOIに出て得られるものが絶対にあるから、そこでまた十勝で新しいことをやっていこう」というのがビジョン。普及振興会(当時)やほかのチームにも教えてもらいながら、初参加(98年)は約100人で参加しました。

第7回(1998年)初参加の記念写真
チームの象徴「!」マークが鳴子に

 踊りは縁があって、仙台で活動している劇団の人が振付してくれた。皆で頑張って練習して、本番を迎えたときの緊張感と、終わったときの達成感。初参加だったけど賞もとれて皆涙して感無量だった。

「地元への返していこう」の想い

―これまで30年弱続けてきた原動力はなんでしょうか。

 僕の原動力はやっぱり、立ち上げたときに右も左もわからずいろんなところに飛び込んで支援してもらって、「なってない」と怒られもしたけど、そういう人がずっと長いこと支援してくれた。「お前らが祭りに出て地元でなんかしようということへの応援だから」と言ってくれたことが今でも、ずっと裏切れないというか。だから毎年踊りだけじゃなく、地元で返していこうとずっと思っている。
 第10回の本祭が終わった後、「ここで一度、地元で新しいことをやろう」となって。第11回はうちは参加していないんだよね。結成4年、地元で新しいことをやるためにそっちに力を注ごうと。そこで帯広三大祭りの一つ「平原祭り」の初日を飾る「夢降夜(ゆめふるや)」というのを作った。2002年はほかにも市民ミュージカル(おびひろ市民ミュージカル、通称:obiカル)を立ち上げました。

―obiカルについて教えてください。

 夏がYOSAKOIなら冬になにかと考えたときに、仙台の振付の先生が向こうでミュージカルをやっていて、当時帯広にはそういうのはなかったし「面白そう」と。一般公募をして、チームメンバー以外に30人くらいは来たかな。
 当初3年のストーリーを立てていて、1年目は勉強期間。仙台の劇団と合同で、向こうが主導で舞台を創り上げていくノウハウを学んでいく。2年目は自分たちの考えたものを仙台の人たちに後押ししてもらいながら。3年目に完全に自分たちで主導するというプランをたてて、これが市から補助金ももらえて、実現した。大抵これで終わっちゃうんですよ、補助金がなくなると。でも、ここからが僕らの本気を表すところだなと、4年目から自主的にお金集めからすべて考えて、今に至っています。obiカルは今年で21回目。地域における市民参加型の文化活動として、やっぱり毎年公演を目指して続けていきたいですね。

obiカルの前回公演の様子~今年は12月23日(土)・24日(日)の2日間上演
若者が中心となり運営する「夢降夜」は五穀豊穣を祈る神輿と踊りの祭典

結束力とフットワークが武器に

―私たちが地域でできることってなんだと思いますか。

 YOSAKOIをやっていることで、(地域に)出ていきやすくなる。平原祭りの夢降夜もそう。地域の人たちも受け入れやすくなる。なんだろうね。YOSAKOIやっている人たちって、そういうときの結束力ってすごいなって思う。「祭りやるよ」といったらほかのチームも来てくれて。

―そういったパワーがある。個人じゃなくチームだからそういったことができる、と。

 うん。損得を考えないよね。「いいな」と思ったら、みんな直感的に協力してくれる。街を盛り上げようという心構えがあるのかな。これは人から言われてもできないこと。うちのメンバーも、YOSAKOIをやっているから自発的にいろんな活動ができる。フットワークが軽くなるのはひとつの魅力だよね。

YOSAKOIソーランの可能性

 例えば子供たちが「このチームに入って踊ってみたい」と思うような、そういう魅力のあるチームでありたいよね。YOSAKOIソーランだって50年続いたら立派な文化になる。
札幌のこの祭りの組織っていうのは全国でもやっぱり珍しい。大きい祭りって官の主導が多いけど。これはやっぱり一つのモデルなんだよね。祭りのモデルでもあるし、社会のモデルでもある。すごく可能性がある。なにかあったときの動員力や、協力し合うパワーはすごいんだと思う。
 祭りに出会ういろんな職業の人との交流もおもしろい。そこで知り合って「新しいことをやってみよう」という起爆剤になったり。絶対おもしろいと思うな。祭りの場では気軽に話すけど、実はすごい人だったりとか。意外と日本を変える力があるんじゃないかな。

〈PROFILE〉
●チーム:Excla!matioN(えくすくらめーしょん)
1997年結成。チーム名の由来は驚きと感動の意味を表す
ビックリマーク「!」。チームロゴのはじめと終わりの「E・N」の
大文字はEast、Northの頭文字から北海道の東を強調。

●回答者:黒田勝史さん
帯広市愛国町在住、1972年生まれ。
1997年、仲間とともにチームを立ち上げ、1999年より代表を務める。
職業:農業


Pick Up Topics

劇団フルーツバスケット30周年記念公演が2024年1月6日(土)上演

 2歳から大人までが所属する劇団フルーツバスケット。YOSAKOIソーラン祭りには「劇団果実籠」として長年参加しています。公演30回を記念したミュージカルはアンデルセンの童話「雪の女王」を原作とした心温まるスノーファンタジーです。

《第30回記念オリジナルミュージカル公演「雪の女王」》
日時:2024年1月6日(土)
【昼】開場13:15 開演14:00【夜】開場16:45 開演17:30
場所:札幌文化芸術劇場 hitaru
https://fb-sapporo.jp/news/sq_20230927/


札幌市民20人が描いた“100年後のYOSAKOIソーラン祭り”公開!

 8月開催の札幌市「Creative Knock2023」のCG制作ワークショップで3DCGを学んだ札幌市民20名が作った映像が、YouTubeで公開されました!
 「100年後のYOSAKOIソーラン祭り」をテーマに制作された映像ではロボットチームが祭りに参加。当会ではモーションキャプチャーの撮影に協力いたしました。この作品は2024年2月1日から2月29日の期間中、さっぽろ地下街大型ビジョン「AUMIRU」で放映されます。

《公開URL》https://youtu.be/BozyTu-6Z8U


おびひろ市民ミュージカル第21回公演 12月23日(土)・24日(日)開催

 今月号のチームインタビューでもご紹介した「おびひろ市民ミュージカル」の公演が、今年も開催!今年はクリスマスの名作、ディケンズの「クリスマス・キャロル」に再び挑戦。元気と感動が溢れる、光いっぱ
いのステージにご期待ください。

昨年の公演(オリバーツイスト)の様子

《おびひろ市民ミュージカル「クリスマス・キャロル」》
日時:2023年12月23日(土)・24日(日)
場所:帯広市民文化ホール(大ホール)


ミュンヘンクリスマス市(11/22~12/25)に学生実行委員会がボランティア参加中

 学生実行委員会のメンバーが、イベント内の飲食で利用される容器を返却するブースで回収・洗浄に携わっています。
 授業の合間を塗りながらみんなで参加。札幌近郊の学生チームのメンバーも協力し、同じく大通公園を舞台とした祭りに参加して、地域の盛り上げに貢献しています。