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自分のための冬至祭のすすめ

はじめに 冬が来ると気が塞ぐ。扉の向こうに押し迫る冷気を察して外出を尻込みしている間にするする日が落ち、重たい雲が頭上に敷き詰められようものならいよいよ逃げ場がない。そうしてひとつ寝るごとにまた暗闇がじわりと幅を利かせていく。暗がりの中で自分の内の孤独と対峙する時間は人の一生のうちことさら純粋で切実な部分だと分かってはいても、毎夜をそのように過ごしていると、気づいたときには寝床のシングルベッドの裏側にびっしりと死が群がっている。悲しみの底から目を上げて光を捕らえるには、12月

    • 21.2.27|輻射熱

       2020年の暮れにも書いたけれど、内面的なことに感染症拡大などの外的要因も手伝って、しばらく仕事以外で知人にほとんど関わらない生活が続いている。(そんな状態でも声を掛けてくれる人というのはおり、なんて優しいのだろうと思う。)このまましばらく人との接点はTwitterで良いかと思っていたのだけど、この頃はそれもどうも気乗りがしない。その理由を考えていて、少し整理できたので書く。  ここしばらく、Twitterを含めたインターネット上の情報の垣根の無さというか、下品な透明性の

      • 自分のための冬至祭のすすめ (調べもの編)

         この文章は、私が自分のやり方で冬至を祝うにあたって、各地の歴史や習俗の中でも企みの趣旨に関連しそうなものを日本語の文献で調べられる範囲で簡易にまとめたものである。 (なお、ここで取り上げる内容については他にも解釈の異なる学説が存在する点をご留意願いたい。)  個人的な冬至祭を行うに至った経緯については、この記事の本編にあたる「自分のための冬至祭のすすめ」をお読みいただけると嬉しい。 1.古代の建造物と太陽信仰(そして江の浦測候所) 先史時代の遺跡からは、当時の人々が太陽

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