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思い返せば、長くて短い4年間だった。

最後まで苦しんだ受験を終えて、なんとか華のJDをスタートさせた4年前の春。元々文房具と雑貨が好きで馴染みのあるお店で好きなものに囲まれながら楽しくお金を稼ぐ、そんな期待とは裏腹に私の体は追いついていなかったようでレジで対応していると目の前が真っ白になった。貧血か?とその日は早退させてもらったのだけど、次の出勤日でもその次の出勤日でも同じように倒れてしまって…結局GW明けまで休んで。今思えば、なんて迷惑な新人だっただろう、1ヶ月休むことを提案してくれた当時の店長には感謝してもしきれない。と同時にあの時に辞めてしまうべきだったと何度思ったことか。

初めて高額違算出して始末書を出した日、
分からないことを尋ねられて怒られた日、
PAリーダーに初めて褒められた日、
バックヤードに通れないほどの荷物が届いた日、
休憩中に商品の工場の妄想を膨らませて笑いあった日、
巡回でトイレを開けたらプラモのゴミが散乱してた日、
死ぬほど忙しい中8時間レジして違算出さなかった母の日直前、
心がバグって電話口で涙した日、
ショーケースで対応したお客様が笑顔で帰られた日

まだまだ沢山良い思い出も良くない記憶も書ききれないほどある。良くない記憶の印象の方が少し(かなり?)強い気がするけれど。

1度だけ、病院にはかかってないけど店長に「うつ病手前だよ」と言われるほど心がバグってしまったこともあったな。その時は本気で辞めようか悩んだけど結局休職して次なったら辞めよう…… って言いながら、その後何人送り出したんだろ。

環境もシステムも最悪だったけれど、現場に出てるスタッフさん達だけは本当に良い方ばかりで、年上のお友達が沢山出来たと勝手に思っている。コロナ禍で大学に行かなくなってからは大学の友達よりも色んなことを話したなあ。

今、嫌なことは嫌と声をあげていいし、転職だって昔ほど難しくなくて続けることが全てな世の中ではなくなっている。「最近の若者はすぐ辞めてしまう」そんな言葉を良く耳にするけれど、最悪でも慣れ親しんだ環境に居座り続けることは保守的である種の安定で、新しい1歩を踏み出す(=辞める)ことにも勇気がいる。実際、新しいバイト先を見つけることを億劫に感じて辞めなかっただけかもしれない。それでも4年間耐えて耐えて働いてきた自分を私は褒めてあげたい。ぶっちゃけ、1コマ90分の大学の授業よりもよっぽど実りのある時間だったように思う。良くも悪くも。

また周りの同世代よりも2.3歳老けた22歳になってしまったな。夢とか憧れとかもっと持っててもいい年代なのにね、不平等で理不尽な厳しい経験を歳の割にはしすぎてしまったのかもしれないね。就職する時も、都会に出たい一心で大手企業を受ける仲間たちを横目に実家から通えるところを探していた。現実的に考える癖は今後を考えたら悪いことでは無いのだろうけど、夢や憧れを持って進んでいく同世代を羨ましく感じることが全くないと言ったら嘘になる。でも自分の思考や癖って早々に変えられないし人生に関わることだと余計に躊躇ってしまうから、これからの人生で間違ってなかったって証明するしかない。でもきっと間違ったっていいよね、人生100年時代、まだまだ始まったばかりだ。

明日から始まる、「2ヶ月間の人生の春休み」が終わったら、
不平も不満も理不尽も全て飲み込んで、
現代社会の荒波へ いざ飛び込もう。



p.s.かっこつけたけど間違ってないよって誰か肯定してくれないかなって密かに思ってたりはする。



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