悪戯神様と天の子の冒険聖書115

見ない、見ず?水だ!
「そこに隠れてギョフを引き摺り込んだのですね!?」
私は心から思いきり叫んでやった。
案の定クヨ様の低く腹の底に響く声が聞こえてきた。
「ククク、その通り。私は今水に憑依していてお前が飛び降りたらすぐ様御神木を腐らせお前を念入り用意した漆黒のゆりかごへ連れて行こうとしたのに。まぁ良い、折角だから良い事教えてやろう。」
クヨ様は水から蒸気のように沸き上がり、いつもの煙のような姿になられ私の周囲を取り囲まれた。
「私を捕まえる気ですか?」
「言っただろ?良い事を教えてやると。捕まえたい気持ちはあるがお見事な推理に免じて今は我慢してやろう。」
煙から黒い触手のようなクネクネした腕が複数伸びてきて私を掴み締め上げてきた。
動けないし喋られない。
やっぱり油断させて私を捕まえるつもりだったのね!?
「ククク安心しろ。私は神だ、約束は守る。本当ならこのまま触手をお前の身体に突き刺して光を奪い取り闇を流し込みたい所だが。さあ、このまま楽にしなさい。良いものが見られるぞ。」
仰っていることが恐ろしすぎるし、楽にしろと言われてもこんな縛られた状態で。
でも、力が入らないし意識が薄れていく。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a