誕生日

昨日、わたしは母がわたしを生んだ年齢をむかえてしまった、今日から動物的生産性がマイナスに傾く、親より先には死ねないなんて言ってみたけどわたしに続く家系図は無い無い無い縦に伸びただけの棒線、ずぅーーーっと伸びて地面に埋まって先祖と再会ハッピーエンドは死んだ者の特権わたしはこの生き地獄でにこにこ愛想ふりまいて呼吸して地球を汚して神様に怒られる、信じてないのに人間が嫌いだから神様は犬がいいなわんわん怒られてもかわいいって、天国気分、母はわたしを生んで世界が明るくなったのだろうか、あの子の母もみんなみんな明るければここは天国になるはずで、わたしにも運命の人が現れるでしょう胡散臭い占い師が言い放つ深夜の路地裏、はやく光を浴びたくて築うん十年のアパート角部屋、鍵を乱暴にあけて廊下を一直線に台所、冷蔵庫の稼働音と青白い照明に浮かぶ崩れかけたショートケーキ

珈琲を一杯。