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kurit3
花が燃える頃
あの花が燃える頃
賛美歌は森へ帰ったよ
あるのはセピア色の乾涸びた木洩れ日だけ
時間も溶けて消えていくのは何故かな
ここは湿気った六月も終わりの長閑な町
プールみたいなアスファルトを泳ぐ
錆びたローカル線が雨を食べて
のらりくらり余所見している
夜のシャボン玉が賑やかなのは知っている
ちいさな町にもお祭り騒ぎはある
金魚になった夜もあったっけ
あの花が燃える頃
わたしの言葉はどんどん衰えて
必ずちいさなみずたまりになる
子供たちはビー玉も折り紙も遊ばなくなって
避けて通るただのちいさなみずたまり
ねぇ覚えている?
風が吹くところ
桜並木道を自転車で下った
ピンクまみれのフラッシュとか
空想風船をひたすら夕暮れに飛ばしたりとか
生意気でごめんねって謝った
夜明けの信号機の下とか
死んだ魚に毛布を掛けてあげた真夜中とかさ
色々あったじゃん
花が燃える音を聴いている
目尻の皺が少し桜色
爪も髪も白くなっちゃうの
いつかね
賛美歌は森へ帰ったよ
あの花が燃える頃
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