秋色/オリジナル曲
濃紺が混じる 朱色の空
雲間から差し込む光に目を眇めた
喧騒に塗れる箱に1人
音もない今が寂しくて切なくなって
窓を開けて風を感じて 胸がギュッとなった
まだここに居たいと 零す
燃ゆる空は夜に呑まれそうで 手を伸ばして
「行かないで」そう言ったってさ 求む色は遠ざかって
「大丈夫だよ」 微笑む 私覆う秋色の空
頬にそよぐ風が冷たくて 暖かくて
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秋の夕暮れ
ここにいるのはわたしだけ
いつもは騒がしいのに、やけに静かで
なにかが溢れてきて、少しだけ目を閉じた
帰り急くような朱色に、わがままを零す
呑み込むような紺色に、わたしの不安は覆われる
「もう帰らなくちゃ。」
暖かいのか 冷たいのか
安堵なのか 寂寥なのか
夕暮れに溢れたこの気持ち
これにつける言葉をわたしは知らないけれど
たまらなく、愛おしく、大事ななにかだったんだ
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去年の秋に自分が初めて作ったオリジナル曲です
高校生活最後の秋、忘れ物を取りに誰もいない教室に入っただれかを描きました
卒業することへの寂しさ
将来への漠然とした不安と焦燥
だからこそ残りの高校生活を大事にしたいなという気持ち
きっと簡単に言語化したらこんな感じなんでしょう
でもこのだれかはこの感情を言語化できず、急かされる夕日をなぞっておうちに帰ったんだろうな
これを読んでいるだれかにも、こんな経験があったら嬉しいです。ちなみに僕にはありました
少し余談ですが、曲を「描きました」と、この文の最初に書いています
僕にとって音は、色として「見える」もの。曲はその色を重ね描いたひとつの紙芝居、物語です
曲を作り始めて最近気づいた感覚なんですけどね!
あなたにも有り得たかもしれない だれかの物語が
あなたの中に 鮮明に映し出されますように
そう願いを込めて、これからも曲を作り続けようと思います
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