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夜が明ける前に歌いたい歌があるんだ


彼と別れてからずっと心のバランスが取れない

花火大会の日、大好きだった彼と別れた。
一生愛したいと思ってしまった時に終わった恋。
それからの数日は食事をほとんど口にせず
泣きつかれてやっと眠りにつけるような
思い出すと、傷が痛む日々だった。

あれから三ヶ月、
私は、彼の存在が遠くにぼんやりしてしまうほど
その事にさえ気づかないほど歩いていた。

だから、迷子になった。

「あの時は判断を急ぎすぎた、ごめん」

これは、ある夜、私の夢の中で彼が言った言葉。
やっと、姿がぼんやりするほど遠くまで来たのに
迷子になっても、それでも独りで歩き続けたのに
私は一瞬にして、思い出に囲まれ、道を失った。

似ている人、似て非なる人

そんな時、Tik Tokで、あるホストの動画が流れてきて
先頭を歩く1人のホストが、彼にそっくりだった。「え、ホストに転職したの?」
なんて思ってしまうほどそっくり。
そして、浮かぶ気持ちはただひとつ

「会いたい」

大好きで大好きで手放したくなかった彼には
もう、二度と会えない、会わないと約束した。

それでも、会いたくて、会いたくて、
せめて、似ている人でもいいから瞳に映りたい。

これは、愛ではなく依存。

オケオール、未練ソングを熱唱

11月7日、久しぶりにアルコールを存分に飲み
終電を見送ってカラオケに行った。

SIXLOUNGEの「リカ」から始まって
あたらよ「10月無口な君を忘れる」
コレサワ「たばこ」「恋人失格」
SaucyDog「いつか」
クリープハイプ「憂、燦々」…………etc

これでもかというくらい未練を歌った。

そして、私の脳裏に残ったのは
LaughingHickの「カシスオレンジ」
(歌ってない曲が残るのあるあるじゃないですか?)

頭のなかで、繰り返し、繰り返し
「欲しかったのはね、ゴメンねじゃなくて
 楽しかったの一言でいいのよ」
というサビ。

本当に、ただそれだけだった。

優しさだと思って謝る人がいるけれど
そんなものが優しさなら随分ひどいなと思った。

夜が明ける前に歌いたい歌があるんだ

まだ、彼を忘れることはできない。
きっとこの先「忘れる」なんてことはできない。

一度、知ってしまった思いや記憶は
身体に染み付いてしまう。
なかったことになど出来ない。

思い出すことが少なくなって
いつか、ふと思い出しても立ち止まることなく
前に進めるくらいの日常を生きるしかない。

過去ばかり輝いて見えるから
いつか、過去になる今が
未来で輝いていたら、なんて思って生きている。

夜が明ける前に、もう一度だけ、貴方を思い出して
愛してたことを歌わせて。



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