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essay|私には山もあったのかも

トレッキングを趣味にしたい。
ぼんやりと頭に浮かんだ2023年。登山が趣味な会社の人が初心者トレッキングイベントを開催したので参加してみた。参加者の15人ほどで、初心者向けのコースを歩く・登る。初心者向けとはいえ、急な斜面や整備されていない荒れた道…きつい場面もありながら、なんとか下山。みんなで遅めの昼食を食べているとき、すでに腿がガクガクしていた。

から約1年。
連れて行ってもらうのではなく、自ら趣味にしていこう、とどんどんトレッキング欲が高まってきた。

春のトレッキング…まだ上着がないと寒い時期。でも私は暑がりだし、運動してると汗かいてくるかも…知識0からのスタートはウェアを揃えるところから。
それでも不安定な春という気候にどんな格好をしたらいいのかわからない。たくさん調べて、適切な素材で重ね着をすれば良いという知識を得たものの、具体的に何がどれだけ必要かはわからない…
結局、登ることが楽しみになってきて、まずは行ってみることにした。

この「まず行ってみる」というのがつくづく私の性分なんだな、と思う。
春の山に出て、気温やレベル感を体感する。
それから自分の感覚で必要なものを集めていく。
とことん「説明書を読まずに使ってみる」タイプみたい。


いざ、初の、自主的トレッキングへ。
初めてなので初心者コース。休憩込みでも3時間以内というコースを選択。彼と2人、よく晴れた日に出かける。
色々事前に調べてはみたけど、3月の半ば、最高気温は19℃のびっくりするくらいの晴れ。

暑い!!!!長袖の肌着は暑いし、羽織ったジャージをすぐ脱いでロンT1枚に。
登りは少し立ち止まって休憩しながら約1時間、山頂でおやつ休憩をのんびり挟んで、帰りの下りは30分。
初心者にしては、そこそこいいペースで終えれたのではないか?と思ったけど、もう足はガクガク。
なんせ、少しずつ登っていった道を30分であっという間に下る。急斜面すぎてほぼ休憩なし。急な階段をひたすらに下る、膝にくる……普段使わない筋肉がキシキシ鳴っていた。


学生の頃は、持久走が嫌いだった。
なぜ走らないといけないのか、わからなかった。横腹は痛いし、足はずきずき、息ははぁはぁ、苦しい、なぜ走るんだ?という疑問しか持てなかった。
(体育に関しては、それほど運動神経がよくないので、球技も楽しむというよりは、「チームに迷惑をかけない」と目標を掲げているうちに授業が終わっていた)


今回、体力の消費にあまりポジティブなイメージを持たない私がなぜ「トレッキングを始めてみたい!」と思ったのかは謎…だけれども、終わった後の疲労感は、まったく嫌なものじゃなくて、むしろ「これからきちんと趣味にしていきたいな」とはっきり思えるものだった。
(いつも「これ私の新たな趣味では?」のアンテナは突然くる)

登りが続いて、はぁはぁ息を乱しながら踏ん張って歩いていると、その次に現れた平坦な道がものすごく開放感があった。
普段、平坦な道路を歩いているのとはまるで違う感覚。
なんとなく、人生もこんな感じなんだろうなぁ、と大きいことを思ってもみる。
ちょっと頑張ってみて、登ってみると、そのあとの平な部分が、すごく違って見えるの、新たな発見をした気分。

何より、家から片道30分少しくらいで、こんなに気持ちのいい自然があるだなんて、「トレッキングがしたい!」と思えなかったらなかった発見かもしれない。


やはり、日々の運動不足か、体力の無さか、本格的な道が続くと歩くのに精いっぱいになってしまって彼の振る「聞いたことのない鳥の鳴き声がする!」とか「この下、川が流れてるんじゃない?」といった何かに気が付いたような話題にはついていけなくて、やっぱり、学生時代にサッカー部を謳歌した人とは体のつくりが違うなぁ~と実感したり。
(今は運動の習慣なんてないのに!!!)

細い道を一列になって進むときに、私が先だとマイペースなまんま、彼が先だと「しっかりついていかないと!」と歩みが早くなる。なんとなくリーダーとかに向いていない性格が出てるなぁと自分について考えちゃったり。

ずっと、海を見ているのが好きだったけど、山の面白さも発見しつつある。いくつになっても、なにをどう好きになるか、まだまだわからないね。


トレッキング初心者、始めました。



あらためて「トレッキング」という言葉を調べてみる。登山との違いは、登山は頂上を目指す山登りで、トレッキングは必ずしも頂上ではないらしい。なんか好きかも、この違い。


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