【第三の人生】34の章:霊は物理的に物を動かす事ができるのか
*登場人物*
萬里→主婦でお役目持ち、霊現象に慣れてきたとは言え、やっぱり初めての現象にはビビります。結構ボヤキが多いです。
最近の萬里は、まあまあ実力は上がっていると判断してもよかろう。
結界も張り方分かったし、御守りに霊を閉じ込めることもできる。ただ自分がやったことの把握がいまいちできないだけ。
娘を送り届け、駐車場に停めた車の中で経文を読み、御守りへ収集の流れは、すでに日課になっている。
その日も、目を閉じて心の中で霊達に話しかけようとした。
『えっ?!』
目をつぶると、今現実目の前の景色と被り映像が浮かぶ。
見るからに不健康そうな大勢の人たちが、運転席に座る萬里の車の周りをびっしりと囲んでいる。
『え!え?!今何が起こっている?!』
動揺していると車が揺れ始めた、地震なのか風に煽られてるのか、いずれにせよ不自然すぎる。萬里の眼にはこの人たちが、一斉に車にのしかかって故意に揺らしているように視える。
『こわい~、おまえらヤメロ!!!やめんかコラ!!!』
萬里の心は、怖い→ムカつくに変化、特に訴えも分からないし、半ば強引に御守りの中へ引っ張り込んだ。
意外にも心臓がバクバクドキドキしている、血圧上がったかも・・・。早くこの結界から出て、H氏に報告しておこう。
視える事には慣れたけど、直接体に感じるような動きや振動、体感できてしまう行為はホント止めて欲しい。
気を取り直して『抱える苦しみや悲しみを全て無にし、楽しく健康に過ごした日々だけを思い出して下さい。もう肉体はここにありません、今感じている痛みも苦しみも全て想像でしかないのです。全ての負の念を無にして、心穏やかに天に帰りましょう、このお守りの中に入りなさい。』
車を囲んでいた霊達は居なくなった。
やはり、助けを求めてきてたってのは間違いない。何層にも重なって、とんでもない数の霊が居る。それぞれ死んだ時の状況も事情も違うだろうが、抱える思いに大差はないだろう。
回顧録も、ここまで長編になると、何を話して何を話してないか分からなくなってきた(笑)
一度話したことがあったかもしれない。
昔『ゴースト』という映画がありまして、その話の中で亡くなった恋人が生きている彼女に自分の存在を知らせようと、インチキ霊能者の女性(ウーピー・ゴールドバーグ)を通訳にさせてみたり、練習の成果でドアの扉にコインを這わせてみたり、駅のホームで先輩霊と空き缶を蹴る練習したり、霊媒としてウーピーの身体を使ったり、自分を死に至らしめた相手に同じ思いさせたり、たしかそんな物語。
実際は、死んだ人がそこ数日で物体を動かすということはできない。死んで日が浅い霊が、なにか物理的現象を起こすとすればせいぜい、電波障害程度だ。
それも、四十九日は経っていないと確実に無理。
車を揺らす事が出来るということは、長い年月天に帰ることができなかった者たちだ。それは数百年前の死人達。
我が家では盛り塩を踏みつけられたり、夜中に洗濯機のフタを開けられ洗濯タイマーが脱水途中で止まってたり、窓を勝手に開けられたり、足音なんかは音だけだからまだ可愛いもんだ。
物理的に動かされるって、結構腹立つし迷惑なんよね
( ;´Д`)
なんとか存在アピールしたい気持ちは分からんでもないが・・・。
一番イタイのはやっぱ大型家電。
それ壊すのだけはやめて欲しい
( ;´Д`)
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