【第二の人生】56の章:気になる女の子
*登場人物*
萬里→主婦なんでコインランドリーとかも行きます。時々自分の思考ではない意識に、操られているような気がします。
なぜ、このスーパーに行かなきゃ!
と思ったのかはわからない。
理由は、ただなんとなく。
スーパーに着いても
とくに買い物があったわけではないので
とりあえずブラブラしていた。
子供達はお菓子が欲しいというので
お菓子のコーナーまで連れて行く。
お菓子コーナーで視界に飛び込んできた
パツ金のヤンキー女が2人、
その横にパジャマ姿の
4~5歳くらいの女の子が
うつろな目で立っていた。
ヤンキー女は友達同士なのか
子供を余所目にはしゃいでいるが、
対照的にお菓子を目の前にしても
はしゃぐことなく
お菓子を選ぶ様子も無く、
小さい女の子はただ立ち尽くしている。
もちろんこの子は実際に生きてる子だ。
こっちを振り向いたその女の子の視線が
『ガンッ!』と
萬里の目に飛び込んできた。
視線が合って、
萬里の目を直視するその子は
おでこに熱冷ましのシートを貼っている。
『あ~この子熱があるんだ・・・。
なのにあのヤンキー女、
片方は母親なんだろうが
病気の子をパジャマ一枚で
連れ出して歩かせるって
どういうつもりだ?!』
ヤンキー女達を睨み付けたがシカト
その足元から
萬里を真っ直ぐに見る女の子の
視線の方が気になる。
ずっと見てるのもあれだなと思い
子供達には
「あの人たちが居なくなったら
ゆっくりお菓子見ようか。」
って言って、
少しウロウロして
他のコーナーを見て回る。
だけど不思議なことに、
行くところ行くところで
お菓子売り場に居た女の子と
バッタリ出くわす。
そして目が合うと
視線を外したくても外せない
なんとも言えない意識に変わる。
『なんかマズイ気がする、
なんで萬里スーパーなんかに
来たんだろ(;´д`)』
とりあえず、
子供のお菓子だけ買って
そそくさと帰った。
車に乗るとすぐさま娘が一言
娘「ねぇ、あの女の子
お熱だったよ~、
かわいそうね~。」
萬里「あ、うん、そうね
パジャマ一枚で
あんなところに連れてきて、
お熱ひどくならんといいね~。」
娘も何か思ったようだ。
自分でも自分がとった行動を
不思議に思いながら洗濯物を回収し
帰宅した。
あのスーパーの女の子の視線が
頭から離れない。
話したわけでもないので、
見た目だけで判断できないところではあるが
頭を冷やしているところ、
うつろな目、
助けを求めてるような気もした。
ヤンキー女、
買い物に行きたいけど
1人で家に置いておくわけにはいかず
パジャマのままとりあえず
連れ出したであろう状況を推測できる。
もしかしたら「虐待」かも?とか
何かただの熱とか風邪ではない気もして
『心配』する気持ちで
そわそわしてしまう。
見ず知らずの他人なのに
そこまで気になるか?!
っちゅーくらい。
その日の夜お布団に入り
目を瞑った時から
映画のように映像が流れ始めた。
桟橋の先端に
3人の子供が立っている映像。
白く高い小窓のある蔵の映像
縁側におもちゃが転がり
聞こえる子供たちの笑い声。
子供達の目線で円を描き
みんなで中心を覗きこむ映像。
目の前が一面赤い色
「お片づけしなくちゃ!」
という慌てた声。
何を表しているのか分からないが
一晩中繰り返し繰り返し
同じ映像がひたすら流れる。
いつもなら1度目を開けたら
次に目をつぶっても
続きを見ることはなかったのに。
もちろん
一睡もできなかった。
だから朝起きるのが辛い、
けど日常生活は待ってくれない
一度起きて子供達を送り出してから
H氏へ連絡しよう。
とにかく、
少し眠りたいと思った。
しかし、横になり目を瞑ると
同じ一連の映像が繰り返される、
その発信源が
誰なのかは分からないんだけど、
よほど何かを訴えたいんだろう
ってのは分かる。
よろしければサポートをよろしくお願いいたします! 頂戴したサポートは祈祷師活動のエネルギー♪( ´θ`)ノ 賛同いただいたあなたに、ご加護をお祈りさせていただきます。