【第三の人生】31の章:結界を張るのも命がけ
*登場人物*
萬里→主婦でお役目持ちは、初めての結界に挑んでいますが、敵の陣地に乗り込んだ形になっております。
H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)真顔で萬里の盾になれる、芸人なみに身体を張ります。下僕の役目。
((((;゚Д゚)))))))
萬里「H氏!なんでその体勢なんですか?!」
H氏「萬里ちゃんが集中してやれるように、向かってくる者達を堰き止めます!だいたい背後から襲って来るものなので、萬里ちゃんの背後はこのわたくしが全力でお護りしますので、気にせず進めてください。」
こんな状況を気にするなって方が難しい。
萬里「めちゃ、怖い・・・。」
とりあえず、気を取り直して、落ち着いて段取りを一つずつこなしていこう。
掘った穴へ般若心経と笹の御守りを埋め、九節の杖である五文字を順番通りに空を斬る。
最初の一文字の段階から、手が震えて思うように書くことができない。
頭の中は真っ白になりかけている。
萬里「H氏!手が震えて何の文字を書くのかその書き順すらも忘れて、頭が回りません!書けません!」
H氏「はい、邪魔が入ってるので。でも、萬里ちゃんならできます。
間違えたら斜めに二回、空を切ればリセットの意味になります。その後に、もう一度文字を切ってください。」
文字一つ書くのにこんな時間をくうとは思っていなかった。
萬里は、これまでに経験した事ないゆえ、すごく簡単に考えすぎていたようだ。この間にも、H氏は見えない攻撃をくらっている。
申し訳ない気持ちと、邪魔をされて思うように出来ない自分にイライラして、中々集中できない。
それを悟ったかのように、
H氏「萬里ちゃんの時間はどれだけかかっても構いません。その経文と笹守りに想いを全て託して下さい。」
よっしゃ!!
書く必要のある文字を、一度紙に書き取り、それを見ながら術をかける。震えつつもなんとか書くことができた。
H氏「あと三か所、回追うごとに攻撃が強くなると思いますが、気を強く持って遂行してくださいね。」
そんな情報いらねぇー( ;´Д`)
萬里「すでに、自信喪失しかかってます。」
H氏「自信は要りません!強い意志と想いでやってください。」
やるしかない!
慎重に、適した場所を吟味しながら、二つ目の箇所、三つ目の箇所、手の震えと怖さが増してゆく。
萬里心の声『早く終わりたい( ;´Д`)』
最後の箇所、ここが終われば囲みが完成する。手の震えも恐怖心も止まらないけど、念じながら時間をかけた。
H氏「ひとまず終わりましたね。おつとめ御苦労さまでした。」
萬里「あ、護衛、ありがとうございました。お疲れ様です。」
萬里の目では何がどうなっているのかは見えない。透明で頑丈な囲いがH氏の目には視えているらしい。
H氏「これなら霊達は完全にこの場所から出られません。鉄壁ですね、よくがんばりましたね。」
萬里「はい、実感はありませんが、恐怖感はハンパなかったですよ・・・。で、ここにはおおよそどれくらいの霊達が居るんですか?」
H氏「・・・。∞です。」
萬里「は?」
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