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【第三の人生】20の章:とにかく恐怖しかない長い時間

*登場人物*

  • 萬里→主婦でお役目持ちは、生きた人間対応の修行中ですが、初心者にはヘビーすぎる状況に陥ってます。

  • 相談者Kさん→萬里の実家近くに住む、長男さんが長期間精神疾患で闘病している。今、おかしな状態に陥ってます。


H氏「大丈夫ですか?」

萬里「なに呑気に言ってんですか!メール送ってたじゃないですか!大丈夫じゃないから電話したんです!対応の仕方が分からないし、このままだとエンドレスな予感です。
最初はKさんの背後に男性の気配を感じてたんです、その気配の主がしゃべり出したんだと思ってたんですが、途中から男性の気配は無くなったのに、
Kさんはずっと他人の話し方と素振りのまんまなんですよ!」

H氏「あ~、確かに何も居ませんね~。」

萬里「じゃ、何でこんな口寄せみたいな事になってんですか?」

H氏「それは口寄せでも憑依でもありません。」

萬里「じゃ、何なんですか?」

H氏「本人の意識下で何か起きてるとでも言いましょうか・・・。今はどんな状態なんですか?」

萬里「黙って座ったまま、身体がグルグル回って、目をつぶったまま顔をしかめています。」

H氏「もう肉体的に限界がきてますね、ここは理解したふりして話を終わらせて、普通に会話して本人に戻るように促して下さい。おそらく、今あったことは本人は覚えていないと思うので、何もなかったかのようなふりをしてても大丈夫です!あなたの言葉はきちんと受け止めたので、安心して下さいと言ってあげて下さいね。」

萬里「そう言えばこの状態から解放されるんですか?」

H氏「終わらせないと逆に危険です。言葉をかけた後に背中を三回叩いて完了です。」

もうぅー!危険とか言うたら余計怖いやーん!すっかりパニックよぉ
( ;´Д`)

とりあえず
萬里「わかりました。」

H氏はこの状況がなんなのか詳しくは教えてくれない。とりあえず、早くこの状況から逃れたい、納得も理解もできてないけど、この際、演技でも何でもするわ!

萬里「Kさん、あなたの思いもやるべき事も理解しました。きちんと受け止めて萬里も努力します。なのでもう、お帰りいただけますか?」

Kさん?「お、おうわかったか、それならよかった。ではそろそろお暇するか・・・。」

Kさんが目を開いた!
溜息をつきながら、そのまま倒れこんだ。

萬里「大丈夫ですか?」

Kさん「大丈夫です。ちょっと疲れただけなんで。」

身体を起こし、座り直したがテーブルに顔を伏せ、しばらくジッとしていた。

萬里「ちょっと背中を触ってもいいですか?」

Kさん「はい、どうぞ。」

身体の中の何かマイナスに作用するものを追い出し、浄化するイメージで氣を流し、背中を三回叩いた。

萬里がいつからこんな事が何も考えずに、サラーっとできるようになっていたのかは不明。後ろの方に身を任せることで、自然に動けるようにもなっていた。

そして、元の状態に戻ったKさん。

萬里「さっきのはなんだったんでしょう?」

聞くなと言われたが、やっぱり聞きたい。

Kさん「え?何かありました?記憶がないんですよね~。ただなぜか身体がとてもきついんです。」

嘘だろ---!!?あんな喋ってたじゃん!!
((((;゚Д゚)))))))

萬里「な、何も覚えてないんですか?」

Kさん「はい、なにかありました?」

萬里「あの~、声もしぐさも男性みたいで、私に何か伝える事があるって・・・。」

Kさん「そうですか?!私時々こういう事があるんです。それで、覚えてないのに、気が付くと身体の疲れが尋常じゃなかったり・・・。」

萬里「そ、そうなんですね。」

Kさん「本当に息子の事悩んでるんで、今度息子と会ってもらえませんか?
なにか憑いてるんなら対応してもらいたいです。」

あれ?何も憑いてないって萬里言ったよな・・・。まぁ、それで落ち着くなら来てもらってもいいのかな。

萬里「はい、息子さんと予定が合えば、ゆっくり話してみましょう。とにかく今日はKさんの身体をしっかり休めてくださいね。」

ひとまず、このホラーな時間からは解放されたようだ。
( ;´Д`)

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