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【第二の人生】91の章:幽体離脱のことを我々は浮遊と呼びます

*登場人物*

  • 萬里→主婦でお役目持ち。幽体離脱→幽体浮遊って知ってる?

  • H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)幽体浮遊は日常茶飯事。浮遊のプロ


どこかで想いを抱えたまま成仏できない人達、身体は無いのだから、自らこっちへ来てくれてもいいようなもんだが。

その場所から離れられず、遠くからコンタクトを取ってくる者も少なくない。

こういう霊達を世間では『地縛霊』と呼んでいる。

萬里達の認識としては、どれも一緒なんだけど、彷徨える者たちが萬里達を呼び出すと身体から抜け出て、その場所へ駆けつける。
という作業が、お努めの中に含まれている。

萬里達が浮遊と呼ぶこの現象は、世間では『幽体離脱』と呼ばれている。

これは、特別な人間だけのものではない。実は寝てる間に、誰にでも起こっていることだ。
ただそれを『夢』だと勘違いしたり、身体から抜け出たという認識がないだけの話。

現に萬里も子供の頃からその現象を『夢で見た』と思い記憶していた。

分かりやすく例を出すならば『デジャヴ』が、それにあたると思う。

もう話が長すぎて忘れちゃって、一度話したかもしれない内容なのだけど。『デジャヴ』は誰でも一度は経験した事があると思うんだな。

初めて来たはずの場所なのに『あれ?この景色見たことあるような気がする?!』
友達と会話していて『あれ?この会話と場面、前にもしたような気がする?!』
これは浮遊の時の記憶が、蘇った瞬間ではないかと思っている。

浮遊は生身ではない分、光の速さで移動できる、それは遠い場所だけでなく
過去や未来の場合もある。
その時の記憶が脳の深いところに残り、ふとした時にシンクロして蘇る。

ただ浮遊をした日の朝は熟睡感が薄く、寝たにもかかわらず疲れている、時々抜け殻のように『ボ~ッ』とする事もみんな経験のある事だろう。
起きているのにもかかわらず、中身が抜け出しているって時もある。

不思議な話なんだけど、中身(幽体)が身体から出てても、普段通りの生活ができる。ただ、注意力が落ちたり、人の話が頭に入ってこなかったり、会話が噛み合わなくなったり、ちょっと信用にかかわる事態になってしまったりもする。

これは現実問題、気を付けたい。

萬里らはこれが当たり前のことになっている、起きている時に抜け出る原理はわからない。急に引っ張られ呼ばれた時に、意思とは裏腹に幽体が身体から抜け出てしまう事が多々ある。

H氏が瀧虎に強引に誘い込まれた時と同じように、意識が飛ぶほどの眠気に襲われることも。

許される時間なら身を任せ、そのまま堕ちて眠りに入る事もある。

これも修行の一つ、慣れるまでにはまた面白い経験をいくつもするのだ。
常に、目が覚めたら浮遊の記憶を整理するように、って言われた。だけど、これに関しては未だにできていない。

だって、起きてすぐ、お母さん業は始まるし、ゆっくり書き留めたり、思い出したりする前に動き出したら忘れてしまう。

ある晩、眠りに落ちて気が付くと、萬里は現代ではない風景に居た。目の前に石の鳥居がある。
その鳥居をくぐり、境内へ入ると着物を着た女の子がちょこんと座っている。

会話の中身は覚えてないんだけど振り向くと、なぜかサクヤさんが居る。もう、女の子の姿はなく、そのままなにか色々とサクヤさんと喋っていた。
次の瞬間目が覚めた、あれは何だったんだろう?

H氏曰く、最近サクヤさんは不安定でボ~ッとしていることが多いから、彼も中身が出てフラフラしているのかも?!
誰にも聞かれないところで、誰かに愚痴を聞いてもらいたかったんではないかな・・・。

だからといって、わざわざサクヤさんに聞くことも確認することもしてない。
もしかして、本当に愚痴があったら萬里がまた聞かないといけなくなるしね。

この浮遊の意味は分からないままだけど、この現象で萬里らのような人間だけでなく、誰もが浮遊していることが明らかになったというお話。

実は普段からみんなと浮遊でバッタリ会ってんのかもしれないね。
( ^∀^)

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