見出し画像

ペットロスを前向きにする方法

私は夫と二人暮らしで、猫が2匹いた。
猫たちは、日頃人間のような存在感を放っていたので、2匹を「ふたり」と呼んでいた。

去る2023年の9月、11月
猫ふたり、同時期に旅立って行き
ペットを見送るのが初めてな我々…

昨年の間に猫たちの残したものを片付け、近所の飼い主さんに分けることにしよう、となった。

制作したチラシ

旅立ったうちの猫たち

ひとりめ ホッケ(女子14歳)

ふっこふこで甘えん坊

ふたりめ トント(男子6歳)

やんちゃで甘えん坊

なぜ?「おすそ分け会」を開いたのか

「だから、ペットを飼うと…」「猫って、命は短いから」
ペットを飼っていない人たちと、どうしても温度差が生まれる。大した言葉でなくても傷つくことがある。こういう苦しい胸の内は
「飼い主さん同士しか、分かり合えないものだから」と、事情を察してくれたのが、ペットコミュニティの人たちだった。

お世話になったペットコミュニティへの感謝

ご近所内に作られた、このペットコミュニティー。実は数年前に立ち上げられた。
私はその立ち上げメンバーの1人で、ここを拠点に繋がった人たちは、今でも懇意にしてくれている。私の猫たちの旅立ちを、いつ、どう説明しようか迷ってる私に対して、何も言わず察してくれる。一緒に泣いたり、最後まで黙って聞いてくれる人もいた。
上記のすべての方々に、何か差しあげられたわけじゃないが、コミュニティのためにできることを探して「おすそ分け会を開く」ことになった。


コミュニティーでは、
ペットを飼っていない人に、所属義務はない。これまでにペットに先立たれたメンバーを何人か知っている。ペットを飼っていなければ、玄関に貼ってある「所属シール」を剥がしていいのだが…中には、剥がせない人もいて…。かくいう私もまだ届出を提出していない。何となく、そっとしてくれているところなど、リーダーも皆も、とても優しい人たちばかりだ。

リーダーに「おすそ分け会を開きたい」というと、快く手伝ってもらえた。
このコミュニティは、小規模でもペットがいなくなっても、関係性がつながっていて、とても誇りに思う…

おすそ分け会の様子

行われたのは、今年2024年1月。
コミュニティのメンバーは、ワンちゃんの飼い主が多い。とうとう猫飼い主さんたちに会えるのか。ワクワク(→猫は家で飼っているため、滅多に外で猫飼いと分からない実情があるからだ)

おすそ分けするものは基本、
未使用・未開封。他は洗浄消毒して、持参してみた。
(残ればボランティアや病院にもあたる予定)

・ウェット(まぐろなどの猫缶)
・おやつ(超有名な液状おやつ、ドライ)
・介護用ごはん
・アルコール
・除菌シート
・消毒水(次亜塩素酸水)
・システムトイレ(洗浄消毒済み)
・猫砂(トイレ用砂)

などを並べて、ビュッフェスタイルで持って行ってもらった。

写真の2倍くらいあったご飯(事後撮影になってしまった)

ペースト状、ジュレ風、リゾット風のドライも、クリームかかかったものや、しみチョコみたいなおやつまで。(森永、ロッテから出てるお菓子に見えなくもない)ここ十何年でバラエティに富むようになった猫食卓事情が微笑ましい。

おもちゃやテント、マナーウェア(おむつ)
大量のペットシーツとタオル


おすそ分け会をやって良かったこと

・賞味期限切れにならないよう、残ったご飯を配ることができた
・旅立った猫たちのこと知ってもらった
・住民と顔見知りになれた(他の飼い主さん同士も)
・ペットコミュニティ存在を知ってもらえた
・なぜコミュニティができたのか?経緯を話せた(ここでは割愛)
・防災準備パンフ、避難訓練、マナー注意などチラシ配布(防災・マナー意識向上につながった)
・皆が日頃使ってるアイテムの紹介 …といった感じ。

猫たちの名残を誰かにあげて、こんなにも喜んでもらえるとは。
…悲しい思い出が、とても良い思い出になった。

猫たちの思い出を話し合ったり、ペットロスの経験も聞き、ボランティア活動されている人の話や、猫との暮らしでリフォームを考え、実践した人にも色々伺えた。つながりから、さらに新たな知り合いも作れて。
私たちにも、猫たちにとっても、よき供養に思えた。

ペットロスを前向きにするには…?

飼い主は、
ペット(究極の推し)のかわいい姿と辛い姿を思い出して、さらにもう存在しない事実だけが残る。…寂しくなる。人の死と同じく、家族だから。
何年経っても何十年経っても思い出すと思う。(事実、経験者の人たちが口を揃えていうのだ)

ペットロスにうまく付き合うコツを調べると「感情を止めないこと」だと言う。寂しい思いは、簡単に消えないし、消えなくても良い。
ロスを前向きにするには、どこまでもロスに付き合っていいと、自分を許すことなんだと思う。だって「ロス」なんだもん。と、はっきり自覚した方が、前向きになりやすい。

いない空間に喋りかける危ないyoritomo

ペットロスって、いつ頃まで続くものなのか?も調べてみた。
1、2週間、3ヶ月というところもあれば。10ヶ月、1年かかるとも書かれている。だから、ロスが治る期間の答えは、ほぼ「不明」と言える。
個人的には、治療法も時間も定義などない、とも思う。

私の場合、共有できる人たちと話すことで、より前向きに「旅立ち」を考えられた。あとは、思い出を整理したり、きちんと供養したり。それもごくごく当たり前のようになって、悲しみも一緒に過ごせるよう暮らすだけだ。

辛い感情だけに焦点を当てずに、「それもよかれ」と思えるようになればいい。
決して、ロスをないがしろにはしない。

私たちは、微力でポンコツな飼い主だったな、と思うけど、猫たちを…ホッケもトントも、ひとりきりにせず、ちゃんとお別れができた。
「必ず、最期を見届ける」飼う前から強く誓っていたことを守れた。

それが私たちの自負。
これからも明けの明星のように輝いて、前に進む私たちをどこかから見守ってくれているだろう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?