04|足元を確認するための言葉
SOCIAL FIGHTER AWARDというイベントで、子ども向けの工作ワークショップのお手伝いをしました。オーナーはタキザワケイタさん。
木製モチーフの周りにリボンをあしらってロゼットを作るという内容。
「あなたが素敵、かっこいい思うものを作ろうぜ!」とスタート。
真剣な顔で手を動かしながらも、各々独り言が大きいのが面白かったです。私はそれを逐一拾い「いいね」「そのアイデア最高」「もう一段派手にできる?」「あ、そんなこともやっちゃう? やるじゃん!」と合いの手を入れます。
手が止まる子には「何がしたい?」「そのためにどうしたい?」と尋ねます。
すると「こんな感じにしたいんだけど」とゴールのヒントを教えてくれます。「アイデア良いと思う。どうしたらいいかな?」と続けるとさらに自分の考えを伝えてくれます。私はそのやり方を一緒に考えます。各々とても個性的で素敵なロゼットが出来上がりました。
めっちゃ目がついてる右のやつなんて最高。制作途中に突っ込んで聞くと、彼らなりの理由がきちんと返ってきて思わずうなりました。
子どもたちとのやりとりの中、ふと思い出したこと。
「何がしたい?」「そのためにどうしたい?」
仕事の時は、いろんな人と一緒にゴールに向かうために用います。
絵を描く時は、限られた中で可能な限り集中したいので、悩みや疑念を断ち切るために使います。
そういえば……と記憶を辿っていくと、絵を描く以上にやりたいことが特にないと自分の言葉で言えるようになった10代の後半。
もっと上手になりたい、予備校に行きたい、美大に行きたいと考えました。受験に不必要な科目は全て絵を描く時間に変えたいと教科の先生に伝え承諾してもらいました。
それでも描く時間が圧倒的に足りないと思ってからは、高3の半分は学校に行かず予備校に行き、予備校の近くで一人暮らし。何のために何をすればいいかを考え、徹底的にシンプルにし集中できたあの頃は、本当に毎日が幸せでした。
「何がしたい?」「そのためにどうしたい?」は、好きなことを手放さないための言葉。自分の中にそんな風に存在している言葉を再認識できました。
忙しさに流されていると自分の足元を見るのをつい怠ってしまいがち。
子どもとのワークショップは気づきが多く楽しかったです。ぜひまた機会があればやってみたい。
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