05|物語を正方形に配置する芸術
カレの意匠制作に取り組んでいます。
タイトルは、友人がカレを言い換えた言葉です。エルメスの図柄集をめくりながらこれを口にしてみると、的を得すぎて他の言葉が見つからない。
描いている最中に思い出した言葉があります。
装飾は徹底して、
具象化及び 視覚化された”幻想”であること
鶴岡 真弓『装飾する魂-日本の文様芸術』
(平凡社・1997)
吉祥をテーマに描きだした2010年頃から愛読している鶴岡先生の本。文様芸術における研究内容の濃さもさることながら、明瞭で優雅な語り口も素晴らしい。どこをとっても美しい一冊です。
また同著では、こうも述べられています。
装飾という言葉の「装」は加算する意味、「飾」は減算する意味がある。
太古より紡がれてきた吉祥図案は、病魔や天災への強い怖れから生まれた、目に見え触れることのできる祈りなのだと思います。
死生観と自然観の物語が描かれた1枚のカレ。
物語を身にまとう意味、今という舞台。
再生と八百万の神々に想いを馳せながらゆっくりと進行中です。
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