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途上国ベンチャーで働いてみた(バングラデシュ編)

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この記事は、2019-2021年の間にバングラデシュ(ダッカ市)にてとあるヘルスケアベンチャー事業の立ち上げに奮闘した30代女性の記録として書かれたものです。 (すべての内容は個…
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2022年6月の記事一覧

途上国ベンチャーで働いてみた:コロナとボイコット(通算270日目)

途上国ベンチャーで働いてみた:コロナとボイコット(通算270日目)

2020年4月には、バングラ現地の人々の間にもコロナに対する恐怖が拡がりつつあった。3末から始まった不要不急の外出禁止、医療機関や市民生活を維持するための最低限の機能以外は店舗閉鎖とする措置、いわゆるロックダウンは、恐怖と同時に人びとの生活を直撃した。

社内で初めに仕事をボイコットし始めたのは、まさかの医者たちだった。ある朝、始業時間になっても医者の一人が出社してこない。診察(健康診断の結果説明

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途上国ベンチャーで働いてみた:コロナと国境封鎖(通算250日目)

途上国ベンチャーで働いてみた:コロナと国境封鎖(通算250日目)

2020年3月末。コロナが思っていたよりヤバいものらしい、、という声が年明けから日本でも大きくなりつつあったが、ついにバングラの国際便が全面休航になるというニュースが飛び込んできた。つまり、国境封鎖である。

ちょうどその頃、現地では日本人のインターン女子学生を一人受け入れており、そのニュースを聞いた翌々日の朝には日本に戻れる飛行機の最終便が出るとのことだったので、事は急を要した。
私や正社員の男

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途上国ベンチャーで働いてみた:組織再生(通算180日目)

途上国ベンチャーで働いてみた:組織再生(通算180日目)

2019年12月。バングラ現地法人が組織としてクラッシュする出来事が起こった。

ごり押しのトップダウンで組織を率いていた現地社長が自ら地雷を踏んでしまった。それまで、恐怖政治のもとで積み上がってきた社員の不満を押さえ込める唯一の重し、リーダーが持つ勢いと強さによるカリスマ性が、逆回転の渦を引き起こし、現地社長の存在は一転して嘲笑と罵倒の対象となった。

バングラの人たちはとても感情的で、扇動され

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