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本の感想「暮らしのなかのニセ科学」

「暮らしのなかのニセ科学」
左巻健男
平凡社新書
2017年6月15日初版第1版
Kindleでもでている。
 
『「健康常識」のニセ科学』
が2024年4月に出ているので、そちらの方が情報が新しいかもしれない。

第1章の「ニセ科学をなぜ信じてしまうのか」
スティーブ・ジョブズがニセ科学を信じて手遅れになってしまったエピソードは残念としか言いようがない。
どんな頭の良い人でもニセ科学にはまってしまうのはなぜか、という事が書いてある。人はだまされるようにできていて、生き延びるために脳は信じたがる習性を持っているらしい。

第二章の「ガンをめぐるニセ科学」
良いと言われているベータカロチンや、お茶の中のカテキンも癌に効くかどうかははっきりしていないし、ベータカロチンは大量に取るとかえって体に悪い。
結局はバランスの良い食事を取るのが最大のがん予防と言える。

第3章の「サプリメント•健康食品の効果は?」
サプリメントは人間に効果があると証明されたものはなくて肝機能障害やアレルギーなどの健康障害を起こすものもある。
小林製薬の紅麹サプリメントの事件は衝撃だった。
クロレラやウコンは過剰摂取すると肝臓に悪いなど、いろいろなサプリがどんなものかの寸評が出されていて参考になる。

「食品添加物は本当に危ないのか」の章では味の素問題を思い出してしまった。
ソルビン酸、アスパルテームについて説明している。その他天然添加物についても。

水ビジネスについてや、プラズマクラスターについても書いてあって面白い。
プラズマクラスターの空気清浄機が効果があるとは思えないのは実感していたが、読んで納得した。

情報が多くて面白かった。最後に参考になる文献とウェブサイトがたくさん書いてあって、本は全部読めないがウェブサイトは調べやすくて良いのではないかと思った。

この著者の新しい本も読みたくなった。

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