国立科学博物館で4歳児がみた世界
「はくぶつかんにいきたい」
4歳長女が言い出したので、「国立科学博物館」へ行くことにした。上野公園内の動物園と双璧をなす子連れお出かけスポット(私調べ)である。親子ともに大満足なこの文化施設、楽しくないわけがない!と思いつつも、私は一抹の不安を感じずにはいられなかった。
娘は4歳になるまで動物園や水族館をとてもこわがった。
行く直前の色めきだった様子から一転、施設にはいると毎回のように泣きじゃくっては、即撤退の繰りかえし。私も夫も、別に無理していくことないよね、と思っていた長女3歳。
しかし、年中に進級してから急に、「どうぶつえん、行く!」「すいぞくかん、行く!」と言い、試しに連れていくと「たのしかった。また行きたい」とのうれしい反応がかえってくるようになった。
「でも、博物館は展示室が薄暗いし、ちょっとこわいかもよ?」
私の心配もよそに、娘と夫は博物館のホームページで展示物をチェックしながら、「見どころマップ」まで作っている。これはもう、ダメとは言えないじゃないか。
そんなわけで、雨の週末に『国立科学博物館』へ行ってきた。
(エントランスでは蒸気機関車がお出迎え)
圧巻の展示物の数々に一日中飽きない博物館だけど、赤ちゃん(弟)もいるし今回は「恐竜の化石」と「動物の剥製」をじっくり見ようか、と前もって娘へ提案する。
4歳娘にマップとカメラを持たせ、2歳息子の手をしっかりと握り、赤ちゃんは抱っこして、さあ準備万端。
さっそく、恐竜の化石へ向かう。
テ、ティラノサウルス!!!
子供たちそっちのけで写真を撮りまくる私。すごいね、大きいね、こんなに間近で見れるんだね!!娘ちゃんも写真とろ!!と興奮気味に娘のほうを振りかえると。
ちゅむちゅむちゅむ……
あ、親指しゃぶってますね。完全に心を落ち着かせるモードに突入した4歳児。やはり、恐竜の化石はこわかったのかなぁ。
「そとにいきたい」
私の服の裾をぎゅっと握って娘が言うので、「じゃあ、動物さん見にいこうか?」と部屋をでる。娘は指しゃぶりをしたままで私たちの後をとぼとぼとついてきた。
ほら、パンダ。これならこわくない!
…よね?
さまざまな動物の剥製がぎゅうぎゅうに展示されている部屋にはいった途端、娘はうつむいて目をあわせようとしない。
「そとにでる」
泣くのをこらえてそう言った。
はい!了解!!撤っ収ーー!!
急いで展示エリアを後にする。
最後に博物館のミュージアムショップだけのぞき、せっかくだから何かひとつ買ってあげるよ、と娘に言う。すると、ぱあっと笑顔に変わり娘はこう答えた。
「にっきちょうがほしい」
国立科学博物館のミュージアムショップに置いてあるノートの類は「恐竜」やら「ミジンコ」やら「食物連鎖」やらがプリントされたものばかり(私は超絶好み)。そのなかから、娘は、ピンクの表紙が愛らしい『MOON NOTE(写真)』を見つけだした。ページ上部には、月の満ち欠けがパラパラ漫画で描かれていて、なんというか一言でいえば「とても、かわいい」(語彙力)。
博物館から帰宅してすぐ、娘は今日のことを日記に書きはじめた。
今回、私のnoteに転記するお許しが出たので少し抜粋すると(誤字脱字は私が修正)。
はくぶつかんにいって きょうきゅうのほねをみて おおあばれ
ほう。
ほうほう。
4歳の娘には、大迫力のティラノサウルスが、トリケラトプスが、ステゴサウルスが、いまにも大暴れするんじゃないかと思ったみたい。それは、確かにこわいよなぁ、早く逃げなきゃ、だよね。
4歳児は、想像と現実のはざまの世界で生きている。
これから君はどんな景色を日記帳に書くのだろうね。
「おかあさんにはないしょだよ」
そんな風に言われてしまうその日まで、君の世界を私にも、少し分けてくれるととてもうれしい。
* * *
東京国立博物館のミュージアムショップは、惹かれるものがいっぱいでした。また娘が、はくぶつかん行く!となった暁には喜んで連れてくよ。
▽ 買ったもの① 恐竜の人形
▽ 買ったもの② いろいろ手ぬぐい
お読みいただきありがとうございます。 「いいな」「面白かった」で、♡マークを押してもらえるとうれしいです。