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日常のこと

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日記のようなもの。気持ちの落とし物BOX。
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記事一覧

春は嫌いだ

昨日の鬱が嘘のように、今は洗いたてふわふわの枕に上機嫌で頭を預けている。 昼間のうちにお…

依
3週間前
21

一進一退、日進月歩

入社から2ヶ月が経とうとしている。 書店員として成長したか否かは不明だが、体は着実に成長し…

依
1か月前
18

仕事帰りにメロンパンを買うような

仕事を始めて二週間が経った。 これまでの半年ほどの昼頃まで暢気に眠っていた暮らしが嘘のよ…

依
2か月前
24

正しく母になりたい

夜、散歩をするとき、暗くて他人に見られないのをいいことに妊婦のふりをしている。下腹部のあ…

依
4か月前
24

月とリンゴとコージーコーナー

同じ空間で、私は仕事、彼は勉強をしている。 「分かんない分かんない・・・うわぁ~~~」と悶絶…

依
7か月前
19

毒を以て愛と為す

理性の箍が外れる瞬間が同じだと嬉しい。 目が合った時の熱、肩に触れた時の微かな震え、背後…

依
5か月前
20

脳ミソがジャマだ

母親が死んだら、自動的に父親も死ぬことになるんだろう。 通帳管理も、ローンの手続きも、公共料金も、税金も、お金の管理はぜーんぶ母に任せっきり。最近やっとATMでお金の入出金ができるようになったばかりの父に、母が亡くなったあとの金銭管理なんてできるはずがない。 スーパーに行っても、どの野菜が新鮮でいいとか、そもそもレタスとキャベツの見分けとか、肉の種類とか、全然分かっていない。母が先陣切ってあれもこれもと選び取っていくのを、父はただ後ろからカートを押して追いかけているだけだ。先

幻にもならなかったいのち

浴槽に浮かぶ金魚を見つけても動じなくなって少女の終わり 「金魚」の比喩は宇佐美りん『かか…

依
7か月前
37

夏の終わりでもなんとか生きてるよ日記

日傘の似合う女の子になりたいと思っていたら夏が終わる音がした。焦る。 ていうか23ってもう…

依
7か月前
14

愛するには言葉が足りない

相手のこういうところが好きとか、あの癖が可愛いとか、言いたいことは幾らでも見つかるけれど…

依
8か月前
19

箱と田舎と変拍子

田舎は似合わないから都会に出なさい。 母にそう言われた。地元を嫌い、結婚を機に同じ県内の…

依
1年前
27

青いコンビニの鮭おにぎり

東武線の特急の車窓から見えるスカイツリーと荒川を目に焼き付ける。今日が最後だから。 卒業…

依
1年前
35

そうなんだ、で終わらない世界で私は生きたい

「あたし、左耳が聴こえないんだ。」 そう大学の友人に伝えたのは、昨年の金木犀が香る昼下が…

依
3年前
15

タイムカプセル

私には思春期の頃の思いを辿れる媒体がない。 中学時代、学校で毎日書かされていた「ライフ」という学習日記のようなものは残してあるけれど、それには学校の出来事しか書かれていなくて、家での生活のことは一切書かれていなかった。 だから、当時の私の考えていたことや実際の行動を思い出すには、私の朧気な記憶を頼りにするしか方法がない。 その記憶のなんと不安なことか。実に穴だらけだ。 自分にとって都合の良いように記憶するのが人間の脳の仕組みだが、都合の良いことすらあまり覚えていないみたい。