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第2回 家のお犬様の脳内

私は犬と暮らしている。今日はその犬の名前を仮に「わんさん」とした上で、彼女について語ってみようと思う。ちなみに現在、わんさんと私は一緒にこたつに入っているが、わんさんがド・センターポジションを占領しているため、私はY字スタイル。生来、体の硬い私にとって、少々厳しい環境である。
 
わんさんは、マイペース成分を豊富に持って生まれてきた犬だと思う。マイペースという言葉は、「のんびり」とか「おっとり」とかいった印象を想起させることもあるが、わんさんのマイペースは、そういうのではない。多分に自由気ままなのである。
 
例えば散歩。どうやら、わんさんには縄張りやテリトリーといった認識がないらしく、知らない道でも平然と進んでいってしまう。以前、放っておいたらどこまで行くのかと思い、ひたすらついて行ったところ、どこまでもどこまでも彼女は歩いて行った。そして自宅を出発して1時間半ほどが経過し、もうどうにでもなったらいいと思い始めた頃、それは起きた。ついに、とある住宅街で、わんさんが立ち止まったのである。
 
お?となっている私を振り返り、わんさんは目で訴える。
「ここはどこ?」
……それ、私も気になってたんだよ。
結局、わんさんと私は迷子になってしまったので、スマホのGPS機能を頼りに帰ってきた。
 
そんなわんさんも、もうすぐ12歳。というわけで、今年も「わんこ脳内メーカー2024」をチェックしなければ。わんこ脳内メーカーとは、犬の名前を入力すると、頭の中を色々な漢字で表現してくれるあれである。わんさんは早生まれで、毎年誕生日が近づいてくると、わんこ脳内メーカーが新年用に更新されていることに気づくのだ。今年はどんなかなー、の結果は冒頭の画像の通り。せっかくなので軽く解釈してみようと思う。
 
「まあ、だいたいのことは忘れちゃって、唯一気になることがあるとすれば、毛のこと。あとは特にない」
 
どうりで最近「おすわり」って言っても、ガッツリ首かしげて「え?」みたいな顔してるわけだよ。おっけおっけ。
 
というのも、わんさんは寿命の長い犬種ではない。きっと一緒に暮らせるのも、長くてあと2~3年といったところだろう。だから生きてるだけでおっけー。と、最後に少ししんみりしたところで、先ほど私のベッドへ移動したわんさんのいびきが始まった。犬のいびきとは不思議なもので、どんなにうるさくても普通に眠れる。ズゴー。

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