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気持ちを「伝える」ことと「押し付ける」こと

「何をしゃべれるかが知性で、何をしゃべらないかが品性」
という言葉をたまに見掛けます。
調べて知ったのですが、スピードワゴン・小沢さんが
番組内でされたコメントなのだそうですね。
さすが芸人さん。
言葉を生業としているプロのワードセンスと説得力は違います。

何を言うか言わないかの取捨選択、皆さんは上手くできてますか?
私はかなり苦手な方です。

相手の性格から、こうしたら嬉しいだろうなとか、
こう言ったら喜ぶだろうという大まかな予想はつきます。
だから自分の思いやりに従ってその通りに行動します。
しかし、
「私はあなたに対して温かく優しい気持ちを持っています」
「あなたの気持ちを私なりに思い遣っていますよ」
ということを伝えるのはかなり下手くそです。

だってそれって、なんかダサいから。
場合によるんだけど、優しさアピールって
偽善者に見えちゃう気がして苦手なんですよ。
なんかエゴの押し付けに見えるじゃないですか。
それに、優しくされた側は優しくし返さなきゃ
と思っちゃうこともあるし。
そう思われながら優しくされるの、めっちゃ嫌。

気持ちを「伝える」ことと「押し付ける」ことには
大きな違いがあると思います。
相手が受け止められないものを
無理に押し付けるのは暴力と同じです。
そう思うからこそ、人に思っていることを
素直に伝えられないことが私にはあるのです。

でも言葉で示さなければ伝わらないことも多いのが事実
いくら思いやりを持って接していても、
それが相手に伝わらなければ意味がない。
「言葉だけでなく行動で示せ」という人は多いですよね。
ただ、言葉なくして行動だけで判断するためには
相手のことをよく観察していく必要があります。
人って自分が思う他人に興味がない生き物だから、
大抵の場合は「言ってくれなきゃわかんない」と思うのです。

だから何をどこまでどうやって伝えて、
どこから先は伝えないのか
という匙加減。
これが信頼関係を築く上での要になるわけですね。

でもこの見極めって本当に難しい。
相手との距離感を見ながら、そして相手の性格を考えながら
調整する必要があります。
何より私の1番ダメなところは、調子に乗ってしまうところ。
楽しくなると相手のボケに更に乗っかってしまったり、
冗談で色んなこと言っちゃったり。
自分の思惑と相手の受け取り方が異なってしまうこともある。

でもこれが上手くなるには試行を繰り返すしかなくて。
色んな人と接し続けて、
そして目の前の相手のことを考え続けて、試してみるしかない。
現時点で下手なら今からでも練習をしていくしかない。
大切なのは、相手の気持ちを決め付けないこと。
必ず相手の様子を見ながら慎重に進めていくこと。

ついつい忘れてしまうので
自戒の意味を込めてここに書いておきます。

どうせまた忘れちゃうだろうけど
何回忘れても何回でも思い出せるように。

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